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~ 二進法の心象風景 ~
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渾然一体の音・光・映像を自在に操るロックバンド・andropPARTYが手がける革新的なMVや、今や即完が当たり前となったワンマンライブが話題の四人組ロックバンドだ。二年前の3.11で感じた”終わり”と”始まり”を、”1と0″で表現した最新作『one and zero』リリース直前、バンドの中心・内澤崇仁(ボーカル・ギター)に話を聞いた。

Edit:結城紫雄(2.5D)


YouTubeやラジオを使ったプロモーションが印象的ですが、メディアとの付き合い方はどのように考えているのでしょうか。

内澤崇仁(以下:内澤):ネットにしてもラジオにしても、不特定多数ではなく、しっかりとした顔が見えるような層に対して、納得できるものを提示する方法を採っています。例えば『Bright Siren』や『Bell』では言葉に重きをおいていたので、メッセージを伝えるためにはどうしたらよいかを考えた結果、インタラクティブな手法を採りました。曲やコンセプトにあったやり方を考えて発信するようにしていますね。

一見最先端の技術の様で、実はアナログな手法をつかっている『Bright Siren』のように、アナログとデジタルの融合もandropの特徴だと思います。

内澤:『Bright Siren』MV制作にあたって、川村真司さん(Creative Lab PARTY)に対して「こういった意味や思いがあって、だからこういう風に発信したい」というディスカッションをさせていただきました。そこで川村さんが考えたのが、思い出、そして思い出を切り取る手段「写真」に対するインタラクティブな発信です。andropとしては、専用サイトを立ちあげたりといった発信の仕方はこの作品が初めてでした。PARTYさんが作る作品は、突拍子もないのに意味があり、機械的なのに人と人との関係性を築くような……。『Bright Siren』にしても、感動がネットや電波を介して、ちゃんと伝わっているような気がしていています。一緒にお仕事させて頂いていて凄く楽しいですね。

特徴的なMVが多いですが、その中でも印象に残っている作品は?

内澤:やはり、自分たちでも衝撃的だったのは『Bright Siren』。初めて人物として僕らが出演したのがこの作品なので、PARTYさんと一緒に作った感動を鮮烈に覚えていますね。反響を強く感じたのは、MVを見た外国の人がライブに来てくれるようになったこと。ネットの無限の可能性を感じましたね。

インターネットにより、都市と地方との情報格差が小さくなった現在、風土や風俗が曲に与える影響はどのぐらいあるのでしょうか。

内澤:ツアーやフェスに出演する度、新しい土地の空気感や風景に触れることで、今までの自分の中になかった音が鳴りはじめることがあります。ライブにしても、地方それぞれの聞かれ方があるんですよね。同じ曲を演奏しても聞かれ方が違う、ノリ方が違う。同じセットリストでも盛り上がる場所が異なったりします。他の場所に行って音楽を演奏したり聞いたりすることによって、全く新しい音楽が生まれてくることが多いですね。

土地から与えられる影響というのは、内澤さんの出身地も例外ではないのでしょうか。

内澤:僕は青森出身で、自然が多くて山も海も近いところで育ちました。だから原風景が見える場所に行くと、故郷のことを思い出します。故郷で聞いていた音楽、生まれ育った時に感じていた思いが蘇ってきて、それが曲になることもありますね。

そのような経験が活かされている曲を教えて下さい。

内澤:『Waltz』ですね。僕が初めて弾いたアコースティックギターを実家から取り寄せた時に、――凄く弾きにくい、錆び付いて汚いギターなんですけど――鳴らした音が凄く懐かしくて。一生懸命練習した思い出とか、実家の窓から見える景色が思い出されてきて、あれよあれよという間に『Waltz』が出来ました。原風景的なものが強く反映されている一曲ですね。

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2011年にデビュー。 ミュージックビデオ、ジャケットワークをはじめとするクリエイティブな方面で、国内外のアワードで賞を取得し、高い評価を受けている。

2012年12月5日に2ndアルバム『one and zero』をリリース。

OFFICIAL SITE: http://www.androp.jp