特集

~ 宅録少女のフォトニクス ~
AZUMA HITOMIインタビュー

楽器車一台分の機材をひとりで統べる、八面六臂のパフォーマンス。“最新鋭のマシン・ポップ”AZUMA HITOMIが2013年4月10日、2.5Dで一年ぶりとなるライブ中継を行った。新たに会得したというペダル鍵盤を両足で操り、キックマシーンが二台追加されたステージはさながら要塞。トーチカの中心で圧巻の演奏を見せながらも、「一番伝えたいのは歌なんです」と彼女は断言する。「でも、歌にメッセージを込めるという言い方は好きじゃない」。

そんな宅録少女が今春リリースする1stアルバム『フォトン』。これまでのライブでも披露されてきた13曲に、初回限定盤には収録曲全てのカバー&リミックス作品『フォトン-reconstruction-』を収めた集大成的作品だ。”光子”の名を持つ最新作発売直前、1stアルバムに対する思いを伺った。


Edit:結城紫雄(2.5D)



ご自宅からのUST配信「じっけんじゅんびしつ」や、初期の「MaltineRecords」からの『無人島』リリースなど、AZUMAさんにはインターネットのイメージが強いですよね。

AZUMA HITOMI(以下:A):中学校の頃には自分のアドレスを持っていて、仲が良い子とメールのやりとりをしていたので、実際に取っ掛かりは早い方だと思います。でも、PCはあくまで音楽を作るためのツールであって、たまたま家にネット環境があるから使っているだけ。ネットをするためにPCを持ち歩くようなことはありません。

代表的なSNSであるTwitterに対しては、あまり積極的でないように見受けられますが。

A:言いたいことがありすぎちゃって、140文字で収めるのが難しいんですよね。それに、私がぽんぽん吐き出した言葉が他人のタイムラインに淡々と並んでいく、という構造に慣れることができないというか。ですから、現在の情報発信は主にFacebookに移行していてます。

短いからこそ面白いというのも、Twitterの魅力のひとつだと思いますし、長い文字数を使わなければ気持ちを伝えられない、ということは決して良いことではないのですが。ただ、ネット上に溢れている言葉の中に、自分の140文字が埋もれていく感じに違和感があるんですよね。

1stアルバム『フォトン』についてお伺いします。「光子」を意味するタイトルを持つ本作品、AZUMAさんの陰と陽の二面性が強く表現されていると感じました。

A:そうなんですよ。それこそ「陰の曲」と「陽の曲」で、ミニアルバム二枚に分けてリリースしてもいいぐらい。一枚に収めてしまうと、初めて聞く人を混乱させるんじゃないか、という思いもありましたね。

私は弾き語りで作曲をすることが多いのですが、そこで吐き出した「石ころ」みたいなものを、ダンスミュージックにアレンジすることで「宝石」へと昇華させて作品にするんです。その過程を経る時、元の曲によってアレンジの仕方が大きく変わるのですが、原曲が弾き語りに合わないような、暗い曲であればあるほど、出来上がった曲はダンサンブルになる傾向があります。弾き語り段階でも違和感なく聞こえる曲は、アレンジするとポップで抑えられた曲調になる。だから、全てをダンスミュージックに収めていこうとしても、かえって二極化する結果になりましたね。

でも曲が全て完成して、いざ順番を考える段階になると、これは陰と陽どちらも詰め込んだ、一枚のアルバムにしたい気持ちの方が強くなりました。それに、私の歌が作品の中心にある、ということをわかっていただくためにも、13曲をいっぺんに出したいと思うようになりましたね。でも曲ごとのイメージは陰陽完全に二分されているから、アルバム全体を最小単位で表現したかった。『フォトン』というタイトルはそこからもきています。だから逆に、アルバムを聞いてもらって「曲によって全然雰囲気が違うな」と感じていただけると嬉しいです。

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AZUMA HITOMI

AZUMA HITOMI

アレンジからミックスまでひとりで行うソングライター・サウンドクリエイター・シンガー。一人で行うライブ・パフォーマンスは、自らコントロールするLED照明システムに加え、Mac、アナログシンセ、ペダル鍵盤、全自動キックマシーンなどの機材に囲まれ「要塞のよう」と評されるセッティングと共に、アコースティック色の強いものから強烈なダンス・ビート・ナンバーまで、振り幅の大きいステージングが話題を呼んでいる。

OFFICIAL SITE:http://azumahitomi.com