特集

日本人クリエイター対談 -Bok Bok編-
BROKEN HAZE × PIPI

7月にbeatinkからアルバムの日本版をリリースした、Matthewdavid、FaltyDL、Bok Bok、Jim-E Stack。この4組を軸に、日本の最新音楽シーンを語る上で無視することの出来ない重要なビートメイカー、DJ、音楽にまつわるエディターなどに対談してもら4本連続企画、”日本人クリエイター対談”。

今回は第三弾、先日自身のレーベル・Night Slugsから『Your Charizmatic Self』をリリースし、2014年9月22日に来日公演を控えるBok Bokを軸に、関東在住BROKEN HAZEとPIPIにLicaxxxが話を聞いた。トラックメイカーでありDJである2人からどのような話が聞けるのだろうか。


Interview:Licaxxx / Edit:結城紫雄(2.5D)


Bok Bokとの出会いは何ですか?

BROKEN HAZE(以下、B)Ripe Bananaとか聞いたあたりかな?

PIPI(以下、P):あ、Little Jinder – ‘Youth Blood’ (Bok Bok Remix)かもしれないです。この発売が2009年12月て書いてありますね、リアルタイムで聞いたかどうかは分からないですが、Bok Bokを認識し始めたのはこの辺りですかね。

B:もうそんなたったか(笑)。あとはRoyal-T – Beat Fighter (Bok Bok Remix)とかかな?自分のiTunesみてビビったわ(笑)。

今回のアルバム『Your Charizmatic Self』の印象を聞かせてください。

P:いいと思いますし、かっこいいと思います、だけどクラブでかられける感じではないかも。『Club Constructions』っていうNight Slugsがやってる、クラブで機能することを主眼としたコンピがあるんですけど、それとは逆の印象があります。クラブでかけられるのは『Melba’s Call』かな、歌が入ってるから分かりやすい。

B:僕は今回のやつすごい好きですね。今もまだノイジーなサウンドとかちょっと汚した音とか残ってるけど、機能性重視からコンセプチュアルな音楽性重視になったなと。本人が今までのやつ飽きたのかなと思った。アーティストってある時テイストが変わっていったりするけど、ちょうどその転機にいたのかなという感じがしました。今回は届く人が多くなって、長く聞けるものが多い気がします。

ご自分のアルバムを作るときはどうですか?

B:DJで使えるとか全然考えてないね(笑)。ビートもいつ何がくるか分からない曲だし、どちらかというとストーリーというかイメージを具現化すること、世界観を伝えることを主眼においてる。フロアで機能するやつは誰かにリミックスしてもらうか、もしくはVIP作ればいいかなと。あのアルバムはリリースする1年前に出来上がってたんだけどね(笑)。

Night Slugsがグっときたのはいつですか?

PGirl Unitの『WUT』じゃないかな。リリースはされてないけどいろんなとこでかけられてて、なんだこれってなったところからじゃないかな?

B:僕も『WUT』は印象ありますね。あのころって激しめなダブステップをみんなやってった時期だったから、『WUT』みたいなのが全然なくて。トラップみたいなのも来てなかったし、BPM140くらいのヒップホップかけるみたいな感じでかけてた。もう激しいのいいよって時に『WUT』が出てきたのは一つの転機だったかなと。あとPIPIもそうだと思うけど、Hudson MohawkeとかRustieが出て来て好きだったんだけど、今で言うトラップ的な曲がそれぐらいしかなくて。

Bok Bokがグっときたのはいつですか?

B:やっぱ『Silo Pass』がみんなの中ですごくヒットしたときだよね。あの頃ってダブステップもそうだけど、隙間埋める曲ばっかだったから、この隙間あっていんだみたいな。僕らはもうそのぱつぱつのやつに飽きてたから、これが出てきたのはちょうどいいタイミングだったなど。あの頃お客さんついて来なかったけどね(笑)。

P:最近の方がかけたら盛り上がりますよね。

B:僕らはクラシックヒットって意識だけど、若い子達は”今”それがいいって感じで面白いよね(笑)。

P:あ、若い子とフロアにいてコレがかかったら懐かしいよねって話はできないってことですね(笑)。

“Night SlugsもしくはBok Bokていうジャンル”

B:あれだけ機能的な曲なのにずっと色褪せないのはBok Bokのなせる技かもね。

P:自分の中で、未だにどのグライムの要素がある曲を聞いてもあれに勝てる曲あまりないかなと。

B:僕はそのときグライムって感覚ではあまり聞いてなかったかな~、こっち系の音=Night Slugsていうか、もしくはBok Bokていうジャンルになっていってるって感じで聞いてた。あとノイジーなハイハットとかあの汚したサウンドは、インダストリアルテクノとかの方が近いのかな? っていう想像で聞いてた。ディストーションかかったベースとかはグライム感ありつつ、それを含めて昔のテクノ的なものを今の感じにアップデートしてくれたよBok Bok!みたいな感じはあったかな。

“Night Slugsのリリースは全部、側面が二つ以上ある”

P:人によって注目する部分は違うから、何っぽいっていう印象は変わると思うんだけど、Night Slugsからのリリースって絶対二つ以上の要素があると思うんですよ。ファンクっぽいとか、グライムっぽいとか。混ぜてるって意識はないんだろうけど、そのとき聞いてる音楽とかが融合されてて常に色んな側面が見えるのがレーベルの魅力だと思います。

B:そうだね、僕もその2つっていう印象あって、でも1+1を3にも4にも出来てる感じするよね。

刺さる人の幅が広い感じがしますよね。ベースの人から4つうちの人まで結構知ってるなって印象があります。ハイブリット的な。

B:確かに、Bok BokがTom Tragoとやってた曲とか4つうちだけの人とかかけてたりするよね。かと思えばグライムの人がぶち込んできたり。狙ってやってるのかは分からないけど、色んなシーンをまたいで活躍してる印象あるね。

Bok Bokが好きな人におすすめのアーティストを教えてください。

B:今回のアルバムはちょっと違うかもしれないけど、Zoltanとか好きなんじゃない?

PDreamsとか、あと有名どころで言うとFrench Friesとかかな。難しいですね、Bok Bokがかけてないやつ言いたいですけど(笑)。

B:やっぱNight Slugs周辺になっちゃうよね。それこそこの間来てたHelixとか。あとはちょっと違うけど、SALVAとかかなあ。

▶NEXT:BROKEN HAZE、PIPIの語るBok Bokを通して見る未来
1 2 3Next
Bok Bok(ボク・ボク)

Bok Bok(ボク・ボク)

ロンドンを拠点に活動するDJ/プロデューサー、またレーベル、Night Slugs(ナイト・スラッグス)のディレクターとしても知られるBok BokことAlex Sushon(アレックス・スション)。
2009年にL-Vis 1990と共にリリースした”Night Slugs EP”にてデビュー。2011年5月には自身のレーベル、Night Slugsから”Southside” EPを発表し、収録曲”Silo Pass”がクラブヒットした。2013年にはLAの姉妹レーベルFade To Mind(フェイド・トゥ・マインド)より鮮烈なデビューを果たしたシンガー、Kelela(ケレラ)のミックステープ”Cut 4 Me”に楽曲を提供。2014年には三年ぶりのソロ作品”Your Charismatic Self”EPを発表し、Kelelaの歌声をフィーチャーしたシングル”Melba’s Call”では、スタイリッシュなPVとともに、官能的かつ機械的なその独特の世界観が貫かれている。

Your Charizmatic Self

Your Charizmatic Self

アーティスト:Bok Bok
発売日:2014年7月19日
レーベル:Night Slugs / Beat Records
ASIN:B00KKLQYFE
EAN:4523132184296
参考価格:¥1,620
Amazonのカートに入れる

BROKEN HAZE

BROKEN HAZE

Keisuke Itoによるソロユニット。切ないメロディーと近未来を想像させるシンセ音、そして力強いビートが特徴的で、Dubstep, Grime, Beats, Hip Hop, UK Funky, など多くのジャンル/シーンをまたぐそのスタイルは、日本国内だけでなく、ヨーロッパを中心に注目が集まっている。
B.BravoやOlive OilとのスプリットEPによりビートシーンで注目を集めたBROKEN HAZE。2012年は、Sonarsound Tokyoでの巧みなライブパフォーマンス、RINSE.FMのHyperdubやLuckyMeのショーでもプレイされた楽曲を収録した名門TOP BILLINからのEP、Bunkai-keiのコンピレーション参加などで国内外から注目を集めた。また、White MountaineeringのランウェイミュージックのプロデュースやAtushi Nakashimaのファッションショーへの楽曲提供、スペインのストリートブランドShoopのオフィシャルミックスを手がけるなどファッションシーンからの注目も高い。

2013年11月にリリースしたアルバム「Vital Error」にはDE DE MOUSE, Machinedrum(Ninja Tune), S-Type(LuckyMe),Bobby Tank, 柏倉隆史(toe)が参加、国内でも多くのメディアで取り上げられ、海外ではPitchforkやEarmilkなどでもアルバムが紹介されるなど、エモーショナルでせつないシンセメロディーと最新のダンスミュージックを通過したサウンドが国内外から評価を得ている。また、リリースパーティーで披露したライブセットでは、ダンスミュージックの枠を越えたパフォーマンスを披露、「オーケストラ」「ロックコンサート」を体感しているようだと絶賛された。

リミックスでは、浜崎あゆみやURATA NAOYA(AAA)、ロロロ(クチロロ)などメジャーシーンに最先端の音楽テイストを持ち込む一方で、CROOKERSなどの世界で活躍するアーティストも手がける最前線での活躍を見せている。 国内ではTaku Takahashi(m-flo)主催のBLOCK.FMにてレギュラー番組CLOUD CASTLE RADIOを第一第三水曜日に放送、ヨーロッパではBLN.FMやRhythm IncursionsなどでレギュラーDJ/パーソナリティを担当した経験もあり、多くのジャンルを跨ぐDJプレイも魅力の一つと言えよう。

PIPI

PIPI

日本在住のDJ/Trackmaker。オリジナル楽曲”Let Me Leave”をフランスのレーベル”Soukouch Ethnik”からリリースしたのをキッカケに以後、オリジナル・リミックス楽曲を発表している。 2013年には、UZやCRNKNなどを擁するアトランタのレーベル、Freakstep Recordsから”Neon”をシカゴのラッパー Tink等の楽曲を手がけるDark Dredと共同でリリース。Lucky Meが担当するRinse FMのショー、 Night SlugsのNeanaによるSUB FMのショーなど、国内外ラジオでも数多くプレイされる。家系ラ ーメンをこよなく愛すDJ。Douster、Tekilatex、Helix、Neana、Dave Luxeなど国内外問わず多くのDJにサポートを受ける。 2014年B.YRSLF DIvision/WYDAD から別名義Grandivaaとして楽曲をリリース。

https://soundcloud.com/pipidj

Licaxxx

Licaxxx

1991年東京出身。DJ活動を中心に楽曲制作、メディアアート制作など活動は多岐にわたる。ビート~よつうちを彼女なりの解釈で昇華する音楽性を武器に、DOMMUNEや2.5Dの出演、block.fmでレギュラー番組”SEXY808″のパーソナリティをつとめ、都内に留まらず地方を飛び回る。