特集

ENTER BIT開催 特別インタビュー対談
チップチューンノスタルジー
~ Chip Tanaka × TORIENA ~

2016年2月25日よりpixiv Zingaroで始まる、たかくらかずきキュレーションによる企画展「ピクセルアウト」。そのプレパーティとなる「ENTER BIT」が、チップチューンアーティスト・TORIENAと共同で2月21日に渋谷2.5Dで開催される。それに先立ち、主宰を務めるTORIENAとメインアクトとなるChip Tanakaのインタビュー対談を遂行。本記事は2.5Dのみならず、Tokyo Girls’ Updateでも英訳されて海外向けに発信されている。

過去、ゲームボーイの音源開発や数多くのゲーム音楽を生み出してきた田中だが、Chip Tanaka名義では、今を生きる音楽を世に発信し続けている。TORIENAは、音楽やライブパフォーマンスは言うまでもなく、ファッションやカルチャーを武器に日々チップチューンをアップデートしているアーティストだ。そんな2人が感じる、チップチューンの”今”と”これから”を聞いた。


聞き手:たかくらかずき / Interview & Edit:飯寄雄麻(2.5D)


まずはTORIENAさん、田中さんとの出会いについて教えていただけますでしょうか。

TORIENA:私が田中さんと初めてお会いしたのは、SQUARE SOUNDS FESTIVAL 2013でしたね。その時はご挨拶だけだったんですが、初めて生でパフォーマンスを見て、ただただ「すごい」と圧倒されてしまいました。ちゃんとお話できたのは、去年2015年にオーストラリアで開催されたSQUARE SOUNDS FESTIVALに、日本からの出演者として田中さんとご一緒させていただいた時ですね。

田中さんは、昨年共演された時にTORIENAさんのことは?

Tanaka:知ってましたね。3、4年前にインターネットで知ったんだと思う。その時は「あぁ、ついにチップチューンの音楽制作をする女の子が出てきたんだ」って思った。女性がこういう音楽を面白いと思ってやっていることに逞しさを感じました。あと、ライブを見るたびに、色んなアーティストに影響されてパフォーマンスが進化してるし、勉強してるっていうより「あぁ転がりながらどんどん吸収していってるなぁ」って印象を持ちましたね。

_MG_4372

今回のENTER BITに、TORIENAさんが田中さんをオファーした意図を聞かせていただけますか?

TORIENA:理由としてはどちらの側面でも通づるところがあると思ったんです。ノスタルジーに浸る音楽と今を生きる音楽って対極にあるんですが、やっぱり源流になるものがあるからこそチップチューンという今の文化が存在してると思うんです。田中さんは、誰もが知ってるゲーム音楽を作られているけど、2007年から活動しているChip Tanaka名義での表現はゲーム音楽の枠に留まらないなって。新しい意味でのチップチューンをやっているし、ENTER BITのコンセプトにぴったりな方だと思いました。

Tanaka:めっちゃ嬉しいですね。このインタビューもTokyo Girls’ Updateっていうのに掲載されるみたいなんだけど、そういうの大好き(笑)。生命力漲る若い人らと一緒に共演できて、一緒に面白がれるのはとても光栄な事です。

過去に田中さんは、DE DE MOUSEやSeihoといった若い世代のアーティストをオファーしてイベントを主催されていたりと、新しい音楽に注目されてるように感じます。

Tanaka:3、4歳の物心がつく前から音楽を始めてバンドもやってきたりしてるから、純粋に音楽が好きだっていう気持ちはずっとあるし、チップチューン以外の音楽の可能性にも当然注目しているね。あと一貫してダンス音楽が好きっていうのもある。

最新の音楽ジャンルに対して、強い興味をお持ちなのでしょうか?

Tanaka:そこはね、行ったり来たり。新しい音楽に対して興味が強い時もあるし、逆に「この音楽を聴いてなかったな」と気づいて2、30年前のものを聴いたりすると面白い発見があったりもする。でもいつも、音楽の要素の中で「何が残って何が消えていくんやろ?」っていう事を無意識に考えます。

TORIENA:何が残って何が消えるかっていうことについては私も考えていて、やっぱり目新しいものは作りやすくてたくさん出てくるんですけど、後に残っていくものは限られているんですよね。今のチップチューンも目新しくは感じられるんですけど、その中で後に続くような音楽になればいいなって思ってます。

_MG_4400

たかくら:ピクセルアートやチップチューンって、現代のインターネットが発達した状態だと”ゲームっぽさ”という点で消費されていくんですよね。でも、実はそれぞれ別の進化をしていて。こういった展示やイベントで文脈化することで文化の定着や後世に残せれるんじゃないかな、と思っています。

TORIENA:ゲームが前提としてあることで、ドット絵やチップチューンってぱっと見派手でキャッチーだからこそ、それ以外の面で回収していきたいんですよね。言葉で言い表しやすいことってそのインパクトだけで、深みや芯無く終わっちゃうことも多いじゃないですか。だからこそ、チップチューンやピクセルアートってそれだけじゃないんだっていうことを、ENTER BITピクセルアウトに足を運んで体で感じて欲しいです。

▶次のページでは、チップチューンを振り返る。Chip Tanakaが語る音源開発について。
1 2 3Next
TORIENA

TORIENA

チップチューンガール
MADMILKY RECORDS主宰
LSDjを使ったポップでハードなサウンドメイクを得意とし、ゲームボーイ実機で暴れまくるスタイルが特徴。
音楽以外ではロゴデザインやCDジャケットなど自らのアートワークを手がける。
身長154cm、血液型AO型、好きな食べ物はリンゴ。

http://www.toriena.net/
https://twitter.com/toriena
https://soundcloud.co/toriena

FAKE BIT

FAKE BIT

TORIENA 1st vocal mini album

[収録曲]
1.{?}
2.Fake Bit
3.Kandi Pixel Z
4.ストレイシープ・ストレイシープ
5.Chip Brain Girl
6.BUG ME!
7.YES/NO

Chip Tanaka

Chip Tanaka

任天堂のエンジニアとしてファミコン、ゲームボーイの音源開発に携わる。
「マザー」 シリーズ、ドクターマリオ、スーパーマリオランドなどのゲーム音楽を手掛ける。
作曲家としてTVアニメ「ポケモン」の楽曲を手掛ける。
2007年より、都内クラブなどでDJ・ライブ活動を行っている。

http://www.hirokazutanaka.com/

たかくらかずき

たかくらかずき

イラストレーター/アートディレクター
1987年生まれ。ドット絵、イラスト作品をはじめ、グラフィックデザイン、ゲーム制作、舞台美術など、デジタルな表現手法をベースにジャンルを横断し活動している。近年の仕事に、範宙遊泳「われらの血がしょうたい」アートディレクション、PUFFYシングル「パフィピポ山」CDジャケットグラフィックなど。「ピクセルアウト」企画者。

takakurakazuki.com

Tokyo Girls Update

Tokyo Girls Update

Tokyo Girls' Update (TGU) delivers the latest news on Japanese Girl's pop culture mainly in "kawaii!!", "IDOL", "Gyaru". Our mission is to make it accessible to fans all over the world.

http://tokyogirlsupdate.com/