特集

TOKYO IDOL PROJECT クリエイターズふぁいる
~ヒゲドライバーインタビュー~

日々新たなヒロインが誕生し切磋琢磨するアイドルシーンにおいて、活躍する彼女たちに光をあてるクリエイターたちへのインタビュー企画「クリエイターズふぁいる」。
今回は、「ピコピコ系ミュージシャン」として楽曲制作をしながら、Cheeky Paradeや愛乙女★DOLLなど、アイドルへの楽曲提供も精力的に行うヒゲドライバーさんにお話を伺いました。
活動10周年を迎え、音楽への思いや自身が手がけたアイドル楽曲についても振り返るインタビューをお届けします。


Interview:山口美佳(2.5D)/ Photo:梅谷英枝(2.5D)



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作曲やDJ、バンド活動など多岐に渡る活動をされていますが、まずは最近の活動についてお聞かせください。

アイドルを始め、アニメソング、ゲームソングなどの楽曲提供や、ヒゲドライバーとしてのピコピコ音楽、去年からヒゲドライVANというバンド活動も始めましたし、幅広く音楽活動をしています。

その中で一番印象的なお仕事というと?

『艦隊これくしょん -艦これ-』のアニメのエンディングテーマですね。『艦これ』というコンテンツ自体が大きいので、それに比例した大きな反響に驚きました。

最近ではアイドルへの楽曲提供も増えていますね。

ありがたいことです。アイドルかは微妙なところですが、作曲という意味ではSaori@destinyさんの『chemical soda』が最初になるかな。僕がいつもやっているようなピコピコ音楽をやりたいというオファーだったので、自分の曲をちょっと可愛くするような感覚で制作しました。僕自身、モーニング娘。の世代で、『LOVEマシーン』や、『恋愛レボリューション21』などの感じが大好きでしたが、それはアイドルだから良いと感じたのではなく、純粋に音楽として良いなと思ったんです。アイドルに楽曲提供をするときは、アイドルソングだからといって変に意識するのではなく、ヒゲドライバーが作曲するうえで、違和感がないものにできればと。

愛乙女★DOLLさんへの提供曲はピコピコ要素を抑えた楽曲になっています。

最初にデモテープを送って欲しいと言われたとき、ラブドルがそもそもピコピコアイドルとして活動しているわけではなかったので、ピコピコ成分を薄めた、いわゆる”普通のかわいいアイドルソング”みたいなものをデモとして送った記憶があります。そこからの流れですね。

ご自身のテイストを活かして作る場合と、提供曲としてアイドルの個性に合わせて作曲する場合では考え方や作曲方法に違いはありますか?

大きな差はないかもしれません。というのも、ラブドルに書いた曲も何かしらピコピコが入っていたと思うんですよ。僕自身、”ピコピコミュージシャン”と公言しながらも、それほどピコピコしてない曲もありますし、曲の中にちょっとでもピコピコした要素が入っていれば、自分としてはOKというぐらいの、割とナンパなタイプだったんです(笑)。ストイックにチップチューンを突き詰めている人の中には「ピコピコ以外使わない」という人もいますが、僕は全然気にしないタイプだったので、ストイックさはそういう方々に任せて「ピコピコサウンドがもっと欲しい」と言われたら増やす、くらいの気持ちでしたね。当時から。

なるほど。

とはいえ、やはり「コール」や「(お客さんの)振り付け」を入れやすい曲というのはすごく意識しました。アイドルのライブを見て思うのですが、アイドルファンの方々はとにかく何か一緒にやりたい、声を出したい、というような前のめりな姿勢があるじゃないですか? そういう姿を見ていたので、「ここでこういうのを入れたら楽しいだろうな」という思考で作曲しています。

自身が作曲した曲をアイドルが歌っているのを見ての感想を教えてください。

もちろん感動しましたね。ラブドルに作った『Knock Knock, Boom Boom』と『フレフレ!』という曲のお披露目のライブを見に行ったんです。ファンの人たちは初めて見るわけだから、曲の1番はわからなくて見ているだけですが、2番になるともう真似して、振りをやってくれたんですよ。その時は「マジか、揃ってる!」ってちょっと感動しました(笑)。“ここは盛り上がるところ!”と意図して制作した部分がその通りに盛り上がってくれていて、思惑通りで嬉しくなりましたね。

アイドルであればライブを観る機会があったり、過去の曲を聴いたりできますが、アニメなど楽曲先行のものについてはどうイメージを膨らませているのでしょうか?

原作があれば、原作を読みます。ないものについては独自に調べます。絶対に使ってほしいであろうキーワードや、特徴的なものであれば、必ず何かしらは出てくるので、それをまずは拾い上げて組み立て、一つの曲にするという作業をしています。オリジナルアニメだと絵は絶対曲よりも後にできるので、それはそれは些細なものからでもイメージを膨らませています。いわば妄想力ですよね(笑)。

相手の求めているものを察する必要があると。

同じ楽曲制作でも提供曲とオリジナル曲では使う脳が違うというか、難しさのポイントがちがいますね。ある意味オリジナル曲は自分の好き勝手にやっているだけという部分もありますが、やっぱり提供曲の場合は考えて作らないといけない分、難しいです。提供曲は、メロディーが良くて聴かせる曲にしたい、ライブで盛り上がる曲にしたい、聴いて覚えてもらいやすい曲にしたいなど、様々なオーダーがありますが、こと自分に関して言えばメロディーをしっかり聴いてもらいたいという部分は一貫していると思います。

なるほど。

その中でも例えば、Cheeky Paradeさんの『チェケラ』は印象に残っています。

どのような反応がありましたか?

まず、メジャーレーベルからリリースのあるアイドルを担当するのが初めてだったので、自分の作曲した曲にミュージックビデオがついたり、様々な人に聴いてもらえる機会になったのかなと思います。僕は作家としてアイドルにも楽曲を提供してますが、DJとして同じ舞台で共演させて頂く機会もあったので、そのアイドルのファンの方から声をかけて頂けたり、ファンの方々と接することが増えた気がします。

確かにどのアイドルグループのDJをしてもヒゲドライバーさんがステージに登場した時の”ウェルカム感”は共通してありますよね(笑)。

「なんでヒゲさんは敵対視されないんだろう」みたいなことはよく言われるんですよ(笑)。自分で考えたところまず、「茶髪じゃない」というのがあると思います。チャラチャラしてない、歳も離れているし、これがアイドルと年齢も近くて茶髪でチャラチャラしていたら多分ファンも気が気じゃないですよ!

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