特集

James Panda Jr.は周游世界
~音楽行脚「Tokyo Crazy kawaii Bangkok」編~

James Panda Jr.がタイに旅立ったのは今年の1月末。「ジャパン・エキスポ」の共催イベントとしてバンコクで開催された「Tokyo Crazy Kawaii Bangkok」にて「日本アニメ(ーター)見本市」のアンバサダーとしてDJを行い、現地のJ−POPファンを見事に楽しませたのも記憶に新しいなか、氏の日本帰国直後にアフターインタビューを実施! 様々な国を周る彼が見たタイのポップカルチャーシーン、世界とリンクしてつくられていくJames Panda Jr.の活動について話しを聞きました。

Text & Photo : 石井龍(2.5D)



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さっそくですが、タイに滞在した5日間で、一番楽しかった思い出は?

James Panda Jr.(以下:James):一緒に行ったスタッフ含め、参加した5人がすごくポジティブに支えあってたことかな。みんな海外での経験や知識が少なくない人ばかりというか「トラブルすらも楽しいじゃん!」と言える人たちで、できる限りのことを最大限やりきりました。そういう人たちが集まることで、日を追うごとに信頼関係が増していったっていうのが実は今回一番楽しかったかな。今思い返しても笑えてくるくらいです(笑)。

ドタバタ続きでしたもんね(笑)。それではまず、今回の旅の経緯を教えて下さい。

James:まず前提として「日本アニメ(ーター)見本市」の音楽プロデューサーが、アニメーション作品そのものやそれに関連した音楽と日本文化を海外に周知させようとしてプロモーションしていた動きがありました。その中で海外のイベンターはよくも悪くもある意味ルーズと言うか、日本のように半年先だとかのスケジュールを押さえてくるようなことは少なくオファーを出すのが比較的本番と近い日程になるケースが多いので、結局なかなか日本のアーティストやバンドを呼ぶことそのものが先方にとってはハードルが高いケースが多い、という問題があることを知ったんです。そうなると”日本のJ-POPやアニメミュージックを紹介する、場合によってはマネージャーも同行せずに身一つでいけるアーティスト”にはニーズがあるのではないかという仮説が見えてきて、活動をする中で実際にそれがハマっていきました。それが昨年の出来事です。それから積極的に各方面へPRを始め、Tokyo Crazy Kawaii Bangkok側から「今回、是非来ていただきたい」と仰って頂いたのが経緯です。

なるほど。

James:タイヘ行ったのは今回で3回目なんですよ。今までロケや観光が中心でバンコク以外の土地にも行ったなかで感じていた一般的にも言われている「微笑みの国」というイメージであったり、のんびりしているというイメージはベースにありましたが、特に今回のイベントで感じたのは「日本に憧れている層が忠実に日本を再現したがっている」ということ。単純に「彼らのイメージしている日本」に近づきたいというだけじゃなくて、もはや秋葉原にあるような文化に近いものがイベント会場にはあった。

コスプレイヤーもたくさんいましたし。

James:そうそう。コスプレのクオリティも「日本のクオリティは高いけど、アジアは低い」と日本人は考えがちだけど、全くそんなことはなくて。とにかく心から日本のことが好きな人たち……ひょっとすると、我々日本人よりも日本のカルチャーを研究している人たちなんじゃないかとすら感じたくらいです。「日本の忠実なコピー」という言い方をするとある意味ではネガティブな表現にはなりますが、逆に言うと忠実なコピーをしていただこうとすると彼らは反応してくれると思うんです。わかりやすく言いますと、良い意味で日本の文化のオタク、と言えると思うんですよね、みんな。

でもその一方で気づいたのは、「アニソンで踊る」という文化は日本では成立してるけど、タイにはまだないということ。これはその国におけるクラブっていうものの成り立ちや考え方の違いにもよると思うのですが、わかりやすく言えば例えばMOGRAでやってるようないわゆるオタク系のクラブカルチャーというものはようやくこれから徐々に暖まってくるんじゃないかな、ということを感じました。

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アニメイト バンコク店の様子。

そのようなタイ国内の文化状況がある中で実際にDJをして新しい発見はありましたか?

James:今回のイベントはそもそも超巨大なショッピングセンター全体が会場となっていましたが、音楽がかかると、見ている人たちは遠慮なく素直にのってくれたんですね。昨年PANDA 1/2でタンザニア公演をおこなったときとまさに同じ状況で、演奏してるとそれがどんな場所であってもみんなが踊り始めちゃう。そういう自然に楽しめるような性質は日本以外の国だとほぼどこでも感じますね。でも、台湾や上海はそれでも最近はどちらかというと日本に近いガチガチでお行儀よく聴く感じに変わってきてるなという印象もありますね(笑)。

確かにそういう意味では日本は特殊かもしれないですね。

James:こないだのタイでも、すごく踊ってるおばちゃんがいて(笑)。ショッピングセンターの客席であそこまで心のままに踊れるというのは日本では馴染みない楽しみ方でしたね。あとは、進行にもラフさが出てました(笑)。リハの日程も変わったし、出演の際にまずMCと喋ってから公演が始まるはずのものが、MCが僕を呼び込んだ後にさっさと楽屋に戻ってしまい、「おいおい! リハで言ってた話と違うじゃん!」というくだりがあったり(笑)。アフリカに行った時は余裕で6時間押しでイベントが開演するとかもありましたし、やっぱりアジアや海外の多くの国で、必ずしも日本のように万事予定通りいくっていうのは少ないんです。

James Panda Jr.

James Panda Jr.

パンダの音楽プロデューサー。2009年より日本で音楽活動を開始し、同年藤岡みなみ(Vo)とのユニットPANDA 1/2で2010年にメジャーデビューを果たす。
以来ボーカリストの交代などを挟みつつ、ユニットでの活動を続ける傍ら、小松未可子のアルバム「THEE Future」「e'tuis」の収録曲など、多くのアーティストに楽曲を提供。
また2015年7月放送のテレビアニメ「青春×機関銃」では、小松未可子・前野智昭・松岡禎丞がキャラクター名義で歌うオープニングテーマ「The Bravest Destiny」の作詞・作曲・編曲を担当。アニメDVD / Blu-ray初回限定盤付属CD収録のイメージソングもプロデュースしている。
また「日本アニメ(ーター)見本市」で配信された沖浦啓之監督のショートアニメ「旅のロボから」の サウンドトラックと、エンディングテーマ「Robo La Bamba」も制作。「Robo La Bamba」はコンピレーションアルバム「日本アニメ(ーター)見本市 ヴォーカルコレクション」に収録され、好評発売中。
現在までに28の国と地域をまわりUstream配信を行う。台湾、カンボジア、タンザニア、タイではDJパフォーマンス、中国、スリランカではライブ出演も果たし、その活動はこれからも広がっていく。

日本アニメ(ーター)見本市 ヴォーカルコレクション

日本アニメ(ーター)見本市 ヴォーカルコレクション

CD (2015/11/11) ディスク枚数:1
レーベル:キングレコード
収録時間:73 分
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