特集

工藤大輝(Da-iCE)の「ダンスアルティマニア」
~vol.0 編集会議編~

5人組ダンス&ボーカルグループDa-iCEのリーダーとして、破竹の勢いで活躍するパフォーマー工藤大輝さんの連載がスタートします!
「顔面偏差値75グループ」「イケメン界の東大生」というキャッチフレーズのグループにいながらも、ひとり独自の趣味に邁進する工藤大輝さんの趣味(?)が講じて始まることとなる本連載。ダンスのプロフェッショナルとして、アイドルのダンスをどう解説、紹介するか。連載開始に向け、リリースイベントの合間を縫って行われた本気の会議の様子をご覧ください。


Edit:石井龍(2.5D)


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【きっかけは松浦亜弥さんと安倍なつみさん】

大輝さんとアイドルのダンスに関わる連載を始めたいというのがこの編集会議のきっかけですが、本題に進む前にまずはDa-iCEと大輝さんのお話を伺えればと思います。

工藤大輝(以下:工藤):Da-iCEはシンプルにいうと5人組のダンス&ボーカルグループで、ボーカルが2人のダンサーが3人の構成ですが、厳密にいうと全員が踊るので5ダンサー&2ボーカル、という構成のグループです。僕はリーダーを務めています。年齢はバラバラで、僕は1番上のグループで、94年生まれのメンバー(和田颯)が1番年下なので、僕が普段見ているアイドルさんたちと同年代になるんじゃないかと思います。

同じパフォーマーとしてアイドルさんを見るときにまず見てしまうところはどこですか?

工藤:もともとアイドルさんが気になったきっかけは松浦亜弥さんや安倍なつみ(モーニング娘。)さんで、その当時はみんなASAYANを観ていたので、単にミーハー心でしたが、高校で歌とダンスをはじめ、その頃にPerfumeさんが気になりまして。Perfumeさんが『ビタミンドロップ』という曲をリリースした時のホームページがめちゃくちゃ可愛いデザインだったんです。ビタミン剤みたいなものが画面を行き来して、そこをクリックすると3人の声が聞ける仕掛けに驚きました。テクノロジーみたいなところがまず気になったのかもしれません。

外側の要素から入っていったと。

工藤:もともとゲーム音楽が好きだったのですが、当時のPerfumeさんの楽曲はゲーム音楽っぽいものが多かったので、それで余計にハマり、しばらくずっと追いかけていました。北海道から上京してからは、ひとりでライブハウスにいったり、武道館公演、代々木体育館公演、横浜アリーナ……と北海道に居る頃はライブに行けなかったので、上京してからはどんどん行くようになって(笑)。

やはりアーティスト同士、まずはどんなパフォーマンスをするかは気になりますよね。

工藤:もちろんみなさん可愛いので、ビジュアルにもドキドキしますが、やっぱり楽曲が1番です。ちょうどPerfumeさんが一気に注目を集めたときに海外ではカニエ・ウェストが『Stronger』でエレクトロのサウンドをサンプリングした作品を発表したり、ヒップホップのダンサー周りでもエレクトロがすごい流行りはじめた時期で。その時僕はダンサーとして活動してましたが、ダンサー同士でも「Perfumeやばいよね」と、よく話題にあがるようになっていました。その頃からアイドルというイメージではなく、アーティストという見られ方になったと感じます。

【「体育会系タイプ」と「文化系タイプ」】

そして乃木坂46さんと東京女子流さんにたどり着いたと。ライブを見るにしてもアリーナでのライブと、ライブハウスでのライブでは見せ方が違ってくると思うのですが。

工藤:細かい話しをすると、ライブハウスの方はバミリが2~3番くらい(※全長で約”360cm~540cm”)の広さなので、ダンスをそのまま踊ることになります。会場を盛り上げる部分も、基本的にはみんなが一列になってお客さんを煽るようなかたちになっていて。それが乃木坂さんのような大所帯になると、ステージの広さの際限がほぼなく、無限に構成が作れるので全く別物の見せ方になります。お客さん目線でいうとライブハウスの方は”盛り上がっている”というイメージで、ドームやアリーナの方は”鑑賞する”という感覚かなと。

確かに今年のTIF2015にSKE48さん、HKT48さんが出演したのですが、ZeppDiverCityのような会場でライブをするのが逆に少ないのか新鮮でしたね。

工藤:Da-iCEもa-nationでのライブの次の日にライブハウスでライブをしたことがあったのですが、感覚が麻痺するんですよ(笑)。大きいところから小さいところに移ると特に顕著で、そもそもリハーサルの仕方が違いますからね。

と、いいますと?

工藤:僕らは今だとライブハウスでの活動が多いので、小さいパッケージをどう大きく見せるかなんですね。(バミリの)1番、2番、3番で作ったダンスをどこで広げるかとか、どこで左右に振るかを考えるのですが、たぶん乃木坂さんのようなグループは逆で、どう小さくするかを考えているのかなと。

ちなみにそのサイズ変更はすぐにできるのでしょうか?

工藤:1日中リハーサルはしますね。小さいものを大きくするときに、どれくらいのスピードで移動すれば次の立ち位置にたどり着くのか、間に合うのか、戻ってこれるのかなど確認することが多いんです。

なるほど。そもそもアイドルのダンスにジャンルはあるのですか?

工藤:厳密にいうとあると思います。ただ、僕の中ではざっくりと本気で汗とか気にせず踊る「体育会系タイプ」と汗をかかない「文化系タイプ」で分けています(笑)。同じavex所属のアイドルさんには前者のグループが多いかと。

正直どちらが好きなんですか? 乃木坂さんが好きということは……。

工藤:やっぱり落ち着いて踊っている方が好きですね(笑)。avex所属には「体育会系タイプが多い」と言っておきながら申し訳ないですが、実は体育会系感(のアイドル)が苦手でして。文化系が好きなので張り切っていないのに汗をかいてしまっている、くらいの感覚がちょうどいいんですよ。

実は頑張っていたんだ、みたいな(笑)。

工藤:ふにゃふにゃした踊りなのに汗をかいていたりすると、すごい沁みます(笑)。

文化系ダンスを代表するアイドルグループにはどのような方々がいますか?

工藤:それでいうと文化系の筆頭は乃木坂さんですが、T-Paletteさんに所属する方は文化系に寄っている気がします。

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【ぶっちゃけアイドルでダンススキルが高いのは……】

ダンスにはスポーツのような明確な評価基準がないじゃないですか? そこが面白みでもあり、伝えづらいところでもあるのかなと思いました。

工藤:アイドルの場合は「上手い=良い」という価値観ではないじゃないですか? それに”ヘタウマ”が許される土壌があると思っていて。グループのバランスが大切だと思うので全員が本格派だとガチすぎて……僕はヘタウマ推奨派です(笑)。ヘタウマには可愛さが宿るじゃないですか。

ちなみに大輝さんからみてダンススキルが高いアイドルさんというと?

工藤:ダンススキルを基準とすると……ぶっちゃけCheeky Paradeさんはお世辞抜きで上手いです。見ていて安心感ある。あとは℃-uteさんも上手いと思います。乃木坂さんだと川村真洋さん、桜井玲香さんが上手いです。とは言え踊り自体が下手でも、空間の使い方が可愛く見せれたら勝ちだと思いますけどね。空間の使い方に関してはわかりづらいというか、ダンスをやっていない人からすると「へぇ~」で終わってしまう部分でもあるので、僕のようなタイプのファンがいたら、絶対気になる部分だと思います。

「楽曲派」というファンの方々がいるじゃないですか? でも「ダンス派」という方はあまり聞いたことがなくて。楽曲から好きになる人は多いとしてもダンスから入る人は少ないので、大輝さんにはパフォーマーだからこそ見える視点でアイドルダンスを解説して欲しいです!

工藤:先日NMB48さんと共演したのですが、『Must be now』の踊りはめちゃくちゃカッコ良かったです。Da-iCEのメンバーたちと見ていて「これ上手すぎない?」って(笑)。キレもあったし、ブレもなかったし、ダンサーとしてみてもレベルが高かったですね。

ダンスを合わせるグループと各々が一生懸命に踊るグループに別れるじゃないですか。後者の場合、同じ楽曲の中でどれくらい個人差があるかを見たときに顕著だったのが、腕を伸ばして引く動きのスピードでした。小さい頃にどんなダンスを習っていたか聞くと、チアダンスがベースにある子は動きが早く、パキパキしていて。バレエを習っていたという子は動きが曲線的だったり個人差が出るんだと思ったのですが、どう掘り下げていいのかわからないんですよね。

工藤:全力で踊ることを”フルアウト”と言うのですが、フルアウトすると絶対身体がブレるんですよ。だから80%くらいの力で踊るほうが動きが揃ろうのですが、曲によってはフルアウトしなくてはいけないものもあるので、グループの方向性というか、どういう楽曲で踊るかに左右される部分は大きいと思います。

遅い曲でフルアウトすることはありますか?

工藤:僕らのようにR&Bをやっている人はあるかもしれませんが、アイドルのダンスだとないと思います。逆に遅い曲であるほど手の出し方、回り方、腰の持っていき方がどう揃っているかなどに目がいきます。フルアウトすることでいうと、大人数のグループほどフルアウトをする場面が多いと思います。メンバーが少ないと迫力が出しづらく、シンクロ率をあげようとするので、フルアウトよりも動きを揃わせるほうに意識がいくんじゃないかなと。それに何十人もメンバーがいると個々にアピールしないと見つからないという一面もあるでしょうし、せめぎ合いはあると思います。

【アイドルダンスの基本はジャズとヒップホップ】

アイドルさんのパフォーマンスを見て振付師さんの意図はわかりますか?

工藤:曲によりけりですが、基本的には全体的な傾向としてキャッチーに見せようという意識がありそうですよね。それでいうとPerfumeさんは別格で、簡単な動きをしているように見えるじゃないですか? でも、全然簡単にコピー出来ないんですよ(笑)。それくらい複雑なダンスをやっているのに、3人が高いレベルでシンクロしてる。逆に大人数のグループになればなるほどバリエーションは増えるので、色々なことができるのですが、AKBさんくらいの人数になると踊らなくてもみんなで移動するだけででも成立するので、ライブハウスでは不可能な表現ですよね。

アイドルではありませんがシンクロ率でいうとTEMPURA KIDZさんのダンスはスゴイなと思います。

工藤:あの子たちは僕らからみてもスーパーキッズです(笑)。小さい頃から色々なダンスをやりまくっていると思うので、全然レベルが違いますね。(TEMPURA KIDZの)振付師の方もそういうダンスに特化した方なので、どんどん独自のダンスとして磨きがかかっていると思います。

TEMPURA KIDZさんのダンスは珍しい?

工藤:珍しいですね。

それでいうとアイドルさんのダンスをジャンル分けするとどんなジャンルがポピュラーなんですか? アイドルダンスのジャンル分けはすごい気になります!

工藤:基本はジャズとヒップホップが中心だと思います。どのアイドルグループもそこからどう崩すか、どう面白い振り付けを加えるかで、乃木坂さんはあまり動きがないけど、ふわっと揃うようなモダンジャズに近いダンスを取り入れていて、レアだと思います。あとはチキパさんのヴォーグとかも。

でんぱ組.incさんのような演劇っぽいものは?

工藤:でんぱさんはダンスというよりも振付ですよね。ダンスと振付は全くの別物なんです。

なるほど! 絶対解説書を作った方がいいですよね(笑)。「アイドルのダンスをジャンル分けして解説する」というダンスレビューはどうですか?

工藤:それでいうとダンスはダンスだけで語ることが難しいので、楽曲も組み合わせて解説したいです!

なるほど、なるほど。

工藤:例えばミュージックビデオを中心に作品の一部としてダンスを紹介するのが良いかなと。

すごい期待できそうです! それと、僕の質問に対して「乃木坂さんだと~」とほとんど乃木坂さんを引き合いに出していて、乃木坂さん愛が伝わってきました(笑)。

工藤:連載1回目は乃木坂さんのミュージックビデオを解説しようと思います(笑)。

ちなみにタイトルはどうしましょう?

工藤:……ですよね(笑)。『アルティマニア』とはその昔僕が集めていた分厚い辞書のようなRPG攻略本の事なんですが、そんな攻略本のようにこのコラムが皆さんの参考資料の一つになればという思いで「ダンスアルティマニア」と付けさせて頂ければと!

了解です! 宜しくお願いします。

工藤:宜しくお願いします!

※ということで乃木坂46さんのミュージックビデオを解説する連載1回目も近日中に公開します! どの曲になるかはお楽しみに!

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工藤大輝

工藤大輝

1987年6月28日生まれ。B型。 Da-iCEのリーダー。作詞作曲も手がけるなど、多彩な才能を持つ。 アイドル、ファッション、アニメ好きとしても有名。
Da-iCE
2014年1月メジャーデビュー。工藤大輝、岩岡徹、大野雄大、花村想太、和田颯による、5人組ボーカル&ダンスグループ。1月6日には2nd album「EVERY SEASON」をリリース。そして、2015年11月からは全国TOUR「Da-iCE Live House Tour 2015-2016 -PHASE 4 HELLO-」が開催中。