特集

工藤大輝(Da-iCE)の「ダンスアルティマニア」
~番外編 #ダンスアルティマニア総括 編~

5人組ダンス&ボーカルグループDa-iCEのリーダーとして、破竹の勢いで活躍するパフォーマー工藤大輝さんの連載「ダンスアルティマニア」。
これまで乃木坂46、フェアリーズ、東京女子流という3つのグループのダンスをMVをもとに解説しましたが、連載の手応えをご本人に伺った番外編をお送りします。これまでの振り返りはもちろん、工藤大輝自身のダンス&MV論も展開されたインタビュー。「TOKYO IDOL」での最後の掲載となる「ダンスアルティマニア」、ご一読ください!

Edit:石井龍(2.5D)


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3組、3曲のミュージックビデオを解説しましたが、ダンスの語りどころはやはり色々ありましたね。

工藤大輝(以下、工藤):「アイドル」と言っておきながら、ちゃんとアイドルなのが乃木坂46さんだけで。その後フェアリーズさん、東京女子流さんと2組とも「アイドル」と言ってない方々を紹介してしまうという……見返してすごく申し訳なかったです(笑)。もっと紹介し続けたかったんですけどね(笑)。

乃木坂さんは「好きなグループ」だと公言されていますし、当然最初に紹介するなら、と。

工藤:もちろん決めてましたね。

連載(※コチラ)の中でMV以外にも推せる映像作品が少なくとも5本あると仰っていましたね。

工藤:単純な好き度でいうと、『命は美しい』は『制服のマネキン』よりも好きですね。色味や質感、衣裳がキレイなのはもちろんですが、床がうつるシーンがあるんです。その床のところどころにシューズの跡がついていて、それを観たときに「めちゃくちゃ踊ったんだろうな」と、本当にずっと踊ったのかは定かではないですが、想像してしまい……だいぶ感情移入しましたね(笑)。『制服のマネキン』の時よりも、本格的にアーティスト的な表現、ダンスをしているように思えるので好きなんです。

フェアリーズ、東京女子流と続きますが、ここもアーティスト路線のダンスですね。

工藤:フェアリーズさんは単純にスキルが高いので、ダンサー目線で見ちゃうところがありますね。アイドル的な部分も確かにありますが、表情の付け方がやっぱりアーティストというか。「どや!」と、カッコつける表情が上手くスゴく好きなんです。女子流さんの中で新しい作品ではない『鼓動の秘密』を選ばせて頂いたのは、僕自身が影響を受けた作品だからです。それ以外の作品ももちろん拝見していますが、僕が「あ、この子たちスゴイ」と思ったのがこの作品でした。

これまで解説した作品は「アーティスト要素が多いダンス」ということですが、他に候補にあがっていたグループでいうと?

工藤:同じ路線として考えていたのはCheeky Paradeさん、GEMさんあたりですが。解説してみたかったのは妄想キャリブレーションさん。

チキパさん、GEMさんはこれまでの方向性から考えるとイメージがつきやすいですが、妄キャリさんは意外ですね。

工藤:パフォーマンスでいうと、でんぱ組.incさんの系統だと思うんです。ダンスというよりも振り付けで、動きをキャッチーにして観ている人を楽しませる動きというか。ステージを走り回るような振り付けだったり、いわゆる”踊り”ではない要素がたくさんあるところが逆に面白かったんです。移動はどうしているのか、腕を伸ばすときはどういう角度か、演技的な要素はどう作られているのかなど。ミュージカルチックな作品として細かくチェックしたかったんですよ。ただ上手いだけがダンスではなく、アイドル全体の踊りをみたときに「一風変わったダンスもあるんだよ」ということを紹介したかった感はありますね(笑)。

はい(笑)。

工藤:(ダンスは)上手いに越したことはないですが、下手だからといってポジションをただ下げるのではなく、その子の活かしどころをどう探すか……「あの子ただ立ってるだけだけど、周りが動いているのと比較すると面白いよね!」みたいな考え方をすれば、魅せ方はどうにでもできるわけじゃないですか。

逆に同じ「ダンス」でも、アイドルに興味のないダンス好きの方にはその独創性が伝わっていないですよね。

工藤:LDHさん擁するグループ、例えばHappinessさんのスキルはとんでもないなと思いますし、Flowerさんもジャズやバレエのような踊りがあったり、なかなか真似できないダンスを踊っていて、ソロパートやフリースタイルもあるのである意味わかりやすくブッチぎりで上手いことが伝わってくると思います。ただ、アイドルでいうとダンスにフォーカスがあたること自体が少ないこともあるので、実態が見えにくいんだと思います。1曲の中で「この子ダンスが上手いな」と判断する材料がそもそも少なかったり、なんとなく皆が揃っていれば同じくらいの力量に見えたり、ヒップホップを通っていないと出ないノリが(振り付けに)組み込まれること自体少ないので、個人差が見えづらいんだと思います。

なるほど、なるほど。

工藤:それに見てる側からしても上手いダンスの定義が人それぞれだったりするじゃないですか? 振り付けを忠実にこなしてクリアに踊っていれば上手いのか、それとも個性が出てちょっと動きがずれてるけど、すごく良い表情ができる子が上手いのか、セクシーな動きができる子が上手いのか……僕は「上手い」の定義そのものが曖昧だと思っていて。

それはアイドルダンスの中で?

工藤:そうですね。ヒップホップのダンスが上手い子が振り付けを上手く見せられるかというのは全く別の話なので、一概に「上手い」という言葉で片付けられないところはあります。アイドルの振り付けはカワイイじゃないですか。カワイイ振り付けをカッコ良くやったらそれは「上手くない」と僕は思うわけです。カワイイ振り付けを可愛くやるから成立することで、そこでスキルを持っているいからといってゴリゴリした本格的なダンスをされても見てる側からすると「それは違う!」となってしまう。そういうジレンマはあるかもしれないですね。

では、大輝さんの考える「最強のダンス」とは?

工藤:これはかなり考えましたが、1曲じゃ無理ですね。僕が最強だなと思うのは、Perfumeさんのように何年も同じことをやり続けたうえで見えてくるダンスです。途中で方向転換をすればするほどブレる。そうなるとグループの色がなくなるから、同じことをやり続けた結果グループのダンスとして伝わるものが最強だと思うわけです。だから1回、1曲の単位で良い振り付けというものは多分なくて、それを何回も刷り込んだ結果、「あの子たちって〜な踊りするよね」と言われ始めたら、それが「最強の踊り」なんだと思います。

あくまで「結果」だと。

工藤:そうですね。もちろん様々なチャレンジは必要だと思いますが、それはコアな人たちが気づくところにあればよくて、色々なダンスをメインで打ち出すよりもブレずにいるべきだと。例えば乃木坂さんにしたら、いろいろな楽曲や振り付けをしていますが、根本的な方向性がブレてないから統一感があるんだと思います。

プロモーションの引きとして毎回変わったことをすることがひとつの方法論だった時期もありましたからね。今年のアイドルシーンは何をするのが面白いのかというと。

工藤:難しいですね……ただ、変わり種はやりきったんじゃないかなと思う部分はあります。なので、もう一周して最もポピュラーな、王道アイドルに戻るのかも。といいつつ、一芸に特出しないと厳しい部分は確実にあって、作詞作曲ができる子が現れたら面白いことになるのではとも思います。アイドルの年齢のピークを考えると20代半ばで一線を退く子が多いなか、作詞作曲が板につくようになるのは20歳を超えないと難しいと思うんです。これまでの常識では年齢が高くなると厳しいという見られ方もありましたが、年齢の高さ(経験)を武器に自分自身で表現ができるアイドルグループの存在はアイドルシーン全体としても面白いんじゃないかなと。Prediaさんは平均年齢があがり、本当の意味でキャッチフレーズにもある「大人の遊び場」を作っているというか(笑)。絶対にあの雰囲気が好きな人はいると思うんですよ。

わかります(笑)。

工藤:例えばグループのリーダーが25、6歳の子で、その子がトータルプロデュースをして作詞作曲、振り付けもする。自分でオーディションもして、若い子たちにノウハウを教えながらグループを育てていくのはアリなんじゃないかと。

プレイングマネージャー的な発想ですね。

工藤:これをやっているのがEXILEさんなんですよ。すでにE-girlsさんはリーダーのayaさんがそのような動きをしていると思いますが、アイドルシーンからもそういう子たちが出てきたら面白いなと思います。もちろんピュアに一生懸命ひたむきに頑張れる子もメンバーに必要ですが、酸いも甘いも噛み分けてきた子がいることでバランスが取れると思いますし!

なにはともあれ今年のアイドルシーンも全方向的に楽しそうですね(笑)。

工藤:ですね(笑)。

ということで、「ダンスアルティマニア」番外編もここらへんで締めさせて頂こうと思います。大輝さんプロデュースのグループも見てみたくなりましたが、この企画もまたどこかでやりたいですね!

工藤:是非是非!

それでは、ありがとうございました!

工藤:ありがとうございました!

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※番外編を含み全5回、お付き合い頂いた読者のみなさま、本当にありがとうございました!

工藤大輝

工藤大輝

1987年6月28日生まれ。B型。 Da-iCEのリーダー。作詞作曲も手がけるなど、多彩な才能を持つ。 アイドル、ファッション、アニメ好きとしても有名。
Da-iCE
2014年1月メジャーデビュー。工藤大輝、岩岡徹、大野雄大、花村想太、和田颯による、5人組ボーカル&ダンスグループ。1月6日には2nd album「EVERY SEASON」をリリース。そして、2015年11月からは全国TOUR「Da-iCE Live House Tour 2015-2016 -PHASE 4 HELLO-」が開催中。