特集

日本人クリエイター対談 -Matthewdavid編-
MADEGG × Hi-Hi

7月にbeatinkからアルバムの日本版をリリースした、Matthewdavid、FaltyDL、Bok Bok、Jim-E Stack。この4組を軸に、日本の最新音楽シーンを語る上で無視することの出来ない重要なビートメイカー、DJ、音楽にまつわるエディターなどに対談してもら4本連続企画、”日本人クリエイター対談”。

今回はフライング・ロータス主宰「Brainfeeder」の所属アーティストであり、2ndアルバム『In My World』を7月5日にリリースしたMatthewdavidを軸に、京都在住のビートメイカー・MADEGGと音楽ブログ「Hi-Hi-Whoopee」のチーフ・エディターでありレーベル&ブログ「Wasabi Tapes」主宰のHi-HiにLicaxxxが話を聞いた。92年生まれの彼らから見るMatthewdavidと最新の音楽シーンはどうなっているのだろうか。


Interview:Licaxxx / Edit:結城紫雄(2.5D)


実際にお話するのは初めてというお二人ですが、お互いの印象について教えてください。

Hi-Hi(以下、H):僕はもう大分前から知ってるし、最近ツイッターで絡みだしたなーって感じ(笑)。同い年(1992年生まれ)で、同じ感じの人は大体Maedeggくん、メトロノリさんぐらいしかおらんかな、っていう印象。

一同:(笑)。

Madegg(以下、M):本当に参考にしております、常々。ブログはチェックして、全然僕なんかより凄いですよ(笑)。ははは。

H:すみません本当。

ではお二人が初めてMatthewdavidを初めて聞いたのはいつですか?

M:すごく前ですよ。

H:僕は2010年か2011年ぐらいに出たSun Arawとのやつ。あと一番ガツンと来たのは『OUTMIND』っていうアルバムですね。

M:はいはい。

H:僕そんなにBrainfeeder系あんまり聞かないんです、Flying Lotus自体があんまり好きじゃない……。

M:ああ! me too! me tooです(笑)!

H:スペイシー過ぎてなんかあわんなーと思って。

M:もう胸焼け(笑)。最近胸焼けが……。天一のラーメンみたいな(笑)。

H:そう(笑)。ちょっともりもり過ぎて、一回きいたらちょっとお腹いっぱいになるのでBrainfeederはあんまり聞かなかったんですけど、その中でもMatthewdavidはやっぱちょっとニューエイジとかアンビエントよりやから、Brainfeeder系の中でも波長が合うなと思いますね。結構サイケなことやったりしてるし。だから初めての出会いって明確な感じで言ったら僕は『OUTMIND』かな。

M:一番最初の作品は全部聞いてましたよ、「Leaving(Leaving Records)」が出来たときの。あれってまだmyspace全盛の時代で、リンクとか飛んでいく中で偶然見つけたんですよね。Leavingのカタログ01、ちょっとマーブルみたいなジャケットに真ん中丸が空いてる、フロッピーディスクみたいなアートワークのやつ聞いてましたね。うん、本当に全然アンビエントでしたよ。

H:Madeggくんと比べたら大分後になりますね。3年前くらいだけど。

M:でも『OUTMIND』で有名になりましたね、彼は(笑)。

最近の印象はいかがでしょうか?

Mele-kingでめちゃくちゃもう感動みたいな、言われてたから、おぉそうなんだと思って。毎回感動しますよね(笑)。

H:Matthewdavidは本当に、本当にベタにすごくきれいな音楽をやってるから、そういうのがBrainfeederの中でも異質やし、いい意味ですごく浮いてるんですよね。

M:そうですね。

H:だから今ニューエイジと言ったらJerry Paperとかがいて、リバイバルじゃないですけどまた評価されだしてるカセット系がいて。それとはまた別のインディーメジャーじゃないですけど、それに寄りつつのアンビエンスかな。誰でも聞ける、だから女の子に聞いてほしい。

M:すごい分かるそれ、女の子に聞いてほしいですよ。Matthewdavidって。ずっと思うんですけど、女の子に聞いてほしいって音楽あるでしょ、それってどこかフェミニンな要素あるじゃないですか。

H:それは感じますね確かに。

M:僕、Matthewdavidに会ったことあるんですけど、すごく中性的というか(笑)。男、女、 Matthewdavidみたいな(笑)。

H:ジャケットも所謂男って感じじゃないでしょ(笑)。赤ちゃん抱いててね。

M:母性を全面にだしたアートワークでしょ(笑)。

H:マシューデイヴィッドという母性があるっていうね(笑)。自分で自分の聞いている音楽をえぐいとかいうつもりはないんですけど、女の子にそのままオススメ出来るかというと100%できなくて、絶対引かれるやろなっていう自覚あるんですけど、マシューデイヴィッドなら全然ええやろって思いますね。

『in my world』について感想をお願いします。

H:ボーカル結構入ってますね。ソウルとかR&B……。大分Matthewdavid聞いてなかったんですけど、こんな感じになってるんですね。

M:変わった! 音響処理とかそういうコアなところも大分変わってると思います。僕、ライブ見たとき結構歌ってたんですよ。なんかそれが面白くて。一人ですごく歌ってるっていう感じで、ライブというよりは、一人で踊って歌ってる人みたいな。結婚式とかで、アルコールが進んだあとに一人勝手にカラオケで歌ってるみたいな(笑)。一年前のその感じ、アルバムにちょっと入ってた(笑)。

個人的にはどうですか?

M:好きですね。なにか環境の変化あったんですかね?

H:聞きやすい。しばらく聞いてなかったのでちょっとびっくりしましたね。あー家族が出来たからかな?

M:そのままの意味だ。『in my world』だわ。『in my world』っていうタイトルも本当にサイケで、Beatlesなのかなって(笑)。Sgt. Pepper思い出したかな(笑)。

H:確かにこの感じはSgt. Pepperとかのポップスとかも入ってるのかなって感じだし、Of Montrealとかここ10年とかで大分あったようなサイケポップスとかも感じるんだけど、でもやっぱりBrainfeederやなって感じ。

M:そう、でも確かに。Leavingで出す感じではない。

H:なんかサイケポップスとかがBrainfeederからでたらこうなるんやろなって感じだと思うし。”ブラックミュージック然”としてていんじゃないかな。

M:確かに。車の中とかで運転しながらきいてもいいかも。

H:大分エロいと思うけど。

M:昔のMatthewdavid聞いてて期待してるって人は、いい感じに裏切られるとは思います。

H:僕が完全にそれですね。

M:Matthewdavidの過去のリリースに『Desert Moon』ていうっめちゃ良い曲があって。その元々やってたことを自分なりにポップにしたっていうか、めっちゃ頑張ったっていうか。めちゃめちゃ上から目線ですけ ど(笑)。すごく楽しんでる感じありますね、何も苦しんでないっていうか。

H:赤ちゃんが自分の息子らしくて、すごい愛に満ちたアルバムだなと(笑)。そりゃあね。

▶NEXT:MatthewdavidとLAの音楽シーン
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Matthewdavid

Matthewdavid

LA在住のエレクトロニック・ミュージシャン。その独特な暖かいサウンドは世界的に注目されており、2011年、Flying Lotus主宰のBrainfeederよりアルバム「outmind」をリリース。また彼は、Leaving Recordsを主宰しており、カセットテープ等、メディアに拘ることなく、精力的にリリースを行っている。LAはもとより、世界の音楽シーンの重要人物の一人。

In My World

In My World

アーティスト:FaltyDL
発売日:2014年7月5日
レーベル:Brainfeeder / Beat Records
ASIN:B00KIFJCIS
EAN:4523132116280
参考価格:¥1,944
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Hi-Hi

Hi-Hi

音楽ブログ〈Hi-Hi-Whoopee〉のチーフ・エディター。レーベル&ブログ〈Wasabi Tapes〉主宰。DJWWWWとしてコラージュ・ミュージック制作など。

Madegg

Madegg

高知出身、京都在住21才。SonarSound Osaka/Tokyo 2013両公演に20歳の最年少で出演、Ryoji Ikeda “supercodex live set” at Shibuya WWWのオープニングアクトとして弱冠21歳で異例のライブセットを披露し、アンファンテリブルとささやかれる。2014年に入り、Arca、The Field、Mark Fell、Tim Hecker等アーティストと共演。実験的かつ独特の音世界が各方面で反響を呼んでいる。

Licaxxx

Licaxxx

1991年東京出身。DJ活動を中心に楽曲制作、メディアアート制作など活動は多岐にわたる。ビート~よつうちを彼女なりの解釈で昇華する音楽性を武器に、DOMMUNEや2.5Dの出演、block.fmでレギュラー番組”SEXY808″のパーソナリティをつとめ、都内に留まらず地方を飛び回る。