特集

~ アーティストとデザイナーが紡ぐ物語 ~
永原真夏 × ひづめみか~る

男女4人組のバンドSEBASTIAN Xのボーカル・永原真夏と、彼女が小さな頃から影響を受けて育ったという雑貨ブランドSWIMMERのデザイナー・ひづめみか~るとの対談が実現。

既に親交が深い彼女たちの出会いをきっかけに、もの作りに対するそれぞれの考えや出会いが出会いを生んだふたりの物語について話を伺った。


Edit:石井龍(2.5D)/ Photo:鈴木美陽



さっそくですがお二人が出会ったきっかけを教えて下さい。

永原真夏(以下:永原):三年くらい前に吉祥寺のお好み焼き屋さん「ももか」で出会ったんですよね(笑)。私たちがご飯を食べてた隣の席でみかさんもご飯を食べていて。

ひづめみか~る (以下:ひづめ):そうそう。私と一緒にお好み焼きを食べていた人が「SEBASTIAN Xのボーカルさんだ」と気づいて(笑)。その時は話しかけずに帰って、彼女たちについて調べていくと「これは素敵だな」と。

永原:ありがたいです! その後、みかさんは私のお父さんに出会います。

ひづめ:直接の接触はもう少し先で、本当に意外な展開ですが、SWIMMERが忘年会をしていたお店の隣のテーブルで、真夏ちゃんのお父さんも忘年会をしていたんですよ(笑)。

永原:父が教えているゼミの卒業生がSWIMMERさんに就職していたこともあり、父もブランドのことを知っていて、みかさんに名刺を渡したんです。その時に美賀さんが「娘さんのファンです」というようなことを言ってくれたのですが「真夏ちゃんのことを好きな人に会ったよー!」と完全に調子に乗って帰ってきまして…… ただ、父のおかげでみかさんの連絡先はゲットしました(笑)。SWIMMERさんのファンだったので、こんな私ですが恐れ多くて自分からご連絡できず。

ひづめ:その後マネージャーさんからご連絡を頂いて、ライブに招待してもらったんです。

ついに出会いましたね。

永原:それからご飯を一緒に食べに行ったり、甘噛みマガジンさんが主催したトークショーでご一緒したりとご縁がありまして。最初は大先輩ですし、雑貨の一時代を築いた方なので、謎めいた部分もありましたが、みかさんを知っていくと、親しみを込めて言いますが、普段はボーっとしているように見えますけど、意外と姉御肌なんですよ(笑)。

ひづめ:へぇー。私は普通にファンから入ったので最初から変わらないですね。明るくて意思がハッキリしている、思っていた通りの憧れの年下。

永原:え!

ひづめ:憧れの年下。

永原:(ガッツポーズをして)やったー!

一同:(笑)。

音楽活動をする永原さんから感じることはたくさんあると思いますが。

ひづめ:今の若者たちは子どもの頃から景気が悪く「これから先も良いことなんてないかもしれない」というイメージを植え付けられて育った子が多い気がして、ミュージシャンにしても暗くてツライ欲求を歌いがちじゃないですか。けれど真夏ちゃんは「そんな当たり前のことを歌ってもしょうがない」と、今の状況を跳ねのけようとしていたり、「辛いのがデフォルトだとしたら、そこから先にどうすべきかを歌いたい」と言っていて、すごく良い言葉だし、本当に音楽から言葉通りのイメージが伝わってくるんです。だから若者は共感するのでしょうし、勇気づけられている。こんな世の中だけど肯定して、踏み出す力がある人なんだろうなと思って。好き。

永原:照れますね(笑)。自分の中でもみかさんが言ったようなことは一貫していて、私が憧れていた世代が何事も跳ねのける力、良くない状況をネタにしない強さを持っていて。ツライ状況を「ワロタ」で済ませるのではなく、良くあろうとし続ける力……。そういう姿勢って、私たちの世代に欠けていると思うんですよ。逃げ道は腐るほどあって、それをネタにしちゃうのも実際問題本当に面白いし楽しいけど、それを笑わないで受け止める強さを上の世代の方々は持っているような気がして、小さい頃から憧れていました。私は音楽活動をする中で、先の世代からバトンを受け取ったんだと思っているんです。

比較対象がアイドルになってしまいますが、アイドルファンの楽しみ方のひとつに「物語性」というものが挙げられ、ライブに至るまでの過程、リリースまでの過程を楽しんでいる。ことミュージシャンの場合、活動をする上で継続して続いていく「物語性」は重要視されていないような気がします。

永原:作ろうと思えば作り上げられますが、アイドルの場合、道筋を作るのはアイドル自身ですか?

一概には言えませんが基本的には運営側の意向が大きいと思います。

永原:となると企画的要素が大きくなるので、「演者」という扱いになるじゃないですかね? 基本的にバンドは「人生」なので、死んだところでようやく語れることが生まれると思っています。例えば忌野清志郎さんもそうで、この世を去って初めて語られる。生きてる時は音楽ファンしか話題にしていなかったのに、亡くなった途端どこもかしこも”キヨシ”の話題ばかりでしたよ。点で見ると超迷走している時期もあるけれど、人生単位で見るとそれこそ物語のようになっている。どう死ぬかというのはミュージシャンにとって大事なことだと思いました。

ひづめ:バンドマンは「メメント・モリ」だよね。死ぬことを考えながら生きていく。

永原:であれば、マジで「メメント・モリ」っすわ!


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永原真夏

永原真夏

SEBASTIAN Xのボーカル。SEBASTIAN Xの作詞/作曲を手掛ける。また、ジャケット/グッズなど、SEBASTIAN Xにまつわるほぼ全てのアートワークも手掛けている。また、近年は映画監督デビュー/詩集の 出版など音楽にマルチな 活動を行なう。活動の合間を縫って、高円寺の古着屋 「光」店頭にも立っている。

OFFICIAL SITE:http://sebastianx.info/

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Twitter: @manatsu_injapan

ひづめみか〜る

ひづめみか〜る

雑貨ブランド「SWIMMER」に94年入社。 以降デザイナーとして同社で数々の人気アイテムをデザイン。

SWIMMER OFFICIAL SITE: http://www.swimmer.co.jp/

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