特集

ミリオンドールpresents「オタクの不都合な心境」
~vol.1 ミリオンドールが「アイドルオタク」を描く理由~

はじめまして、藍と申します。
現在、GANMA!というスマートフォンアプリで「ミリオンドール」という地下アイドルとそのオタク達のバトル群像劇を描いています。

私は漫画を描きながらアイドルオタクをさせて頂いている人間です。
世の中のフィクションで扱われる「アイドルもの」に対して、ここが実際のオタクとしてもうひとつほしい!といった、数多くのもったいなさを感じてきました。
そのもったいないが蓄積して、誰かこの穴を埋めてほしいな、でも出てこないから自分で作ってみようと思いつき生まれたのがミリオンドールという作品になります。
今回のコラムでは、私が「オタクから見たアイドルものは、ここが現実と違っていた!」というあるあるをミリオンドールを題材にゆるく取り上げていきたいと思います。



1.すぐにテレビや大箱のライブに出れる
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やはり、現場系のドルヲタさんがフィクションのアイドルに対して一番感じるポイントはここではないでしょうか。見たことないくらいキラキラした照明の中、演出もものすごくこだわったライブや音楽番組で、アイドルの女の子が歌って踊って綺麗な汗をかいて、その姿を見たファンも大団円。この流れに対して、ドルヲタあるあるじゃないかと思うのは「俺達が支えるべき小さなライブハウスでお客さんが数人しかいない時期が端折られてしまっている…」という一抹の寂しさです。
安心して下さい、ミリオンドールのアイドルは渋谷の小さな箱で毎日ライブをやっている地下アイドルと、福岡の田舎からやってくる地方アイドルがヒロイン達です。
やすやすと地上波や媒体に順調に乗っていって、遠くに行ってしまうことはありません。



2.すぐそばでプライベートを支えているヒーロー的存在や男性の関係者がいる

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アイドルオタクは報われない忠誠心を推しにつぎ込んでいる中、プライベートで支えている異性のスタッフや友人や関係者の存在がチラつくと途端にダークサイドに落ちがちです。
ミリオンドールでは半オタ関係者や男性関係者などは出てきますが、皆特にアイドルと仲良くなれるわけでもなく、主人公格のオタクでさえ時には塩対応されるありさまです。



3.ゆるかったり意識が低い子がいない
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生身のアイドルとフィクションのアイドルの一番の違いは、中にはアイドルに向かないと自覚しながら辞められない子や、接触時に対応が塩だったりゆるかったりするような能力差のあったり、時にはお客さんであるオタクに対してあるまじき発言をしてしまうような生々しい失敗をすることがないことです。
どうしてもスポ根的サクセスストーリーとして描かれがちなアイドルのフィクションでは、アイドルは皆上昇志向を持っており、欠点は個性としてポジティブに描かれることが多いです。
生身のアイドルの場合、ストーリーに対して都合のいい欠点や短所を持っているとは限りません。しかし、オタクには推したその子が自分にとっての真実であり現実なんです。
多少塩対応でも意識が低くて今にも辞めそうでも、ちょっとメンヘラっぽくても、自分がその子を推す限りその子のストーリーから降りることができないのがリアルアイドルの面白さでもあるのです。



4.オタクは皆肥っていてチェックのシャツを着ていてハチマキをしている
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いわゆる「アキバ系」や「モーヲタ」という十年以上も前に世間で騒がれた「オタク」の姿から、世間一般の「オタク」のイメージは止まってしまっています。太っていて、コミュ障で、ハチマキをしていたり、缶バッジをかばんにいっぱいつけているステレオタイプなアイドルオタクは実際の現場で多数派というわけではありません。※現場にもよりますが
実際は、小さいライブハウスでの興業が主となる地下アイドルが多いので、ライブハウスでの機動性を重視してシンプルにオタTとジーンズ、サイリウムなどを持っている軽装な姿が多めです。
ミリオンドールではオタクがステレオタイプな姿にならないように留意しながら描いています。



大まかに、今までにありがちだったアイドルオタクの細かすぎるポイントを述べさせていただきましたが、世の中のアイドルものをディスっているわけではありません。
アイドルものアニメや作品は多様化してきていて、クオリティも高く、楽しいものがたくさんあり、私はそれらをリスペクトしています。
その中で、オタクのきもちに特化した作品があってもいいのではないかと思い、こうしてオタクあるあるとして自作を紹介させて頂きました。

今後もこうして、誰も注目しない「オタクあるある」「オタクが誰にも言えないけど思っていること」に注目して、はたしてアイドルオタクはコンテンツになりうるのかどうか、オタクとして挑戦していきたい所存です。

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藍

スマホアプリGANMA!で連載中のWEB漫画家です。現在アイドルオタクを題材にした作品「ミリオンドール」を連載中。現場系でDDなガチヲタです。TOKYO IDOLさんとコラボできてオタクとして大変光栄です。 オタ遍歴:90年代声優→ハロオタ→AKBオタ→DDへ突入/BiS、女子流、KPOP、AeLL.等→新生TPD→Flower