特集

ミリオンドールpresents「オタクの不都合な心境」
~vol.4 アイドルオタクがE-girlsに推しができたらどうなるか~

【佐藤晴美ちゃんを推すことになりました】

突然ですが最近E-girlsに推しができました。
Flowerの佐藤晴美ちゃんです。
佐藤晴美ちゃんは山形出身の20歳で、グループ内でも一番高い173cmという長身です。
Rayでファッションモデルを務めながら、ダンサーとしても存在感を発揮する、美貌もパフォーマンスも兼ね備えた存在で、こういった要素だけをプロフィール上で見ていると、アイドルオタク的には「完璧すぎてちょっと手が出せない…」と物怖じしてしまうかもしれません。
でもそんなことないんです。
そんな完璧さをくつがえすほどの「ゆるさ」と「素朴さ」の強烈なギャップが私が彼女にハマった理由です。
そんな「はるお」というあだ名のゆるさが良く似合う佐藤晴美ちゃんのよさと、アイドルオタクがE-girlsにハマってしまうとどうなるのかを今回語らせてもらいたいと思います。


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山形出身といえば東京女子流の庄司芽生ちゃんが有名ですが、はるおもめいてぃんも同じダンススクールに通っていたそうです。
そういった共通点もあるせいか、はるおから感じる「美少女だけど内面の素朴さと愛され感」は東京女子流の雰囲気に通じるものもあって、推しやすかったということもあります。

ダンスも立居振舞も完璧な佐藤晴美という推しができたことで、今年はE-girlsやFlowerの出演するフェスやライブに赴く機会が多くなりました。
久しぶりにアイドルオタクが多数派ではない現場に行ったことで、いくつか気付いた事と、「アイドルオタクとはなんなのか」についての個人的な所感をあわせてまとめさせていただきます。

【E-girls現場はどんな現場なのか】

E-girls、Flowerの現場は基本的に「女の子」が多数派です。
3,4割くらいの割合で男性もいますが、家族連れだったり、若い大学生くらいのグループだったり、到底ドルヲタである私が普段行く現場では見かけないような客層がほとんどです。
顔にペイントを入れていたり、花かんむりをかぶっておそろいのコーデでおしゃれをしているギャルのグループがたくさんいたり、会場の外ではセルカ棒で自撮りしている子たちを何人も目撃することができます。
ライブ中もコールのようなものはほとんどなく、主にソロのダンスパートでの黄色い声援です。
サイリウムが普段使用されているかは不明ですが、私が行ったアリーナツアーではフラッグが物販で売られており、このフラッグを持ってウェーブを作ったり、曲に合わせて上下に振ったりして楽しんでいました。

全体的な印象としては、やはり女の子がメインの客層だと想定したステージの作り方をしており、アイドルのようにオタクに対して「もっと声出して!」「まだまだいける!」のような煽り形式のコール&レスポンスはほとんどありません。
ここで歌ってほしい、一緒に手をあげてほしいといった親切なアナウンスで女の子にも参加しやすいスタイルを重視しているようです。

ライブ中にメンバーが投げてくれるサイン入りフリスビーなどの定番ファンサービスもあり、オールスタンディングが基本のアイドル現場に慣れてしまうとついついがっつきそうになってしまいますが、周りは女の子だらけですので自重の気持ちが必要です。
ここでついフリスビー欲しさに熱くなって他の女子を押してしまい、我に返って罪悪感と申し訳ない気持ちになっている若い男子たちを見ると、「ものすごく気持ちがわかるよ…」という共感さえ生まれてしまいました。
ここは女の子のための現場なので、高まりを肉体や雄叫びで表現しがちなアイドル現場でのやり方は通用しません。

【ファンサが手厚いとオタクは罪悪感を覚える】

男女の差もあるのかもしれませんが、アイドルでいう「レスを配る」ということがE-girlsのファンサービスの王道となっているような部分も見受けられました。
指さし、顔のペイントへのリアクション、名前のボードに反応する、遠くの席まで見えてるという声かけなど、細かいところまで至れり尽くせりです。
普段、認知やレスがほしくてなんとか変わったことをしたり接触を頑張ったりする現場に身を投じているオタクとしては厚待遇すぎて罪悪感すら覚えます。

ついケチャをしそうになったり、ソロパートで曲に合わせたはるみコールを入れたくなったり、そんなオタクとしての高まりの発露を我慢しながら、アイドル現場とのあきらかな違いを楽しむのが自分なりのE-girls現場です。
これがメジャーの所作とはいえ、あまりにも厚待遇なこの現場では、アイドルオタクは絶対的なマイノリティであり、女の子のための現場やサービスに「同席させて頂いている立場」という感覚を覚えます。
そんなE-girlsに「アイドル的な感覚で『推し』とか見つけてしまった…」という自分にも罪悪感を覚えずにはいられません。(筆者はこじらせています)

【対象がアイドルじゃなくてもオタクは変わらないし楽しくいられる】

しかし昨今のアイドルブームのさなか、アイドルオタクであることがカジュアルに若者にも広まっている中では、「アイドルオタクであること」はマイノリティでない局面が多くなっています。
しかし、本来のアイドルオタクは、カミングアウトしづらいものであったり、オタクでない若者や女の子たちが楽しんでいるものに対してマイノリティ的なポジションでたしなむものであった時代を顧みると、そういったオーソドックスな楽しみ方ができるのがE-girls現場であると言えるかもしれません。

まして、アーティストを名乗るガールズグループが増えてきている中、「推す対象がアイドルかどうか」という議論は本当は不必要なのかもしれません。
我々オタクがどんなグループにも「『推し』を見つけられるかどうか」がオタクであるかどうかの存在意義なのかもしれません。
そして佐藤晴美ちゃんは本当に推してて楽しいです。
推しの盲目かもしれませんが、見るたびに元気をもらいます。たとえ接触がなくてもとても楽しく推させて頂いています。

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そんな出会いのきっかけをくれた、中身は癒し系なはるおを今後も推して行こうと思います。
サマンサミューズでもあるはるおを応援するために、サマンサのキャンペーンを見かけるとつい●万円もするバッグをはるおのために複数個買いしようというオタク的なよこしまな衝動も我慢しようと思います。

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藍

スマホアプリGANMA!で連載中のWEB漫画家です。現在アイドルオタクを題材にした作品「ミリオンドール」を連載中。現場系でDDなガチヲタです。TOKYO IDOLさんとコラボできてオタクとして大変光栄です。 オタ遍歴:90年代声優→ハロオタ→AKBオタ→DDへ突入/BiS、女子流、KPOP、AeLL.等→新生TPD→Flower