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水野しず インタビュー(後編)
"今は全てを投入して戦う時"



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ミスiDへのエントリーのきっかけを教えて下さい。

水野しず:友達で詩人の文月悠光ちゃんがミスiDにエントリーしていて、詩人という職業の特異上かツイッターが炎上していて、リプライで飛んでくる悪口のほとんど全部をリツイートしていたんです。「なんか盛り上がってきました」とか言って。その様子に覚悟を感じて、なんとなくミスiDのことを認知しました。私、炎上しているところが好きなんですよ。一番盛り上がっている「現場」だから。エントリーしてからは楽しかったけど、徐々に自分にとってはあまりしっくりこなくなって。

それは、どのあたりが?

水野しず:ん~……。例えば「鳥居みゆきみたい」とか「エキセントリック」って言われたり、「サブカルヒロイン」って言われたりしたことです。気さくでポップで良識ある側面や、鬼の側面もあるのに、そこを無視してそんなことを書かれて、変な消費のされ方をされていたんです。傷ついたけど、グランプリを獲ると自分に対する扱いが少し変わって、生きやすくなりました。

獲った時は嬉しかった?

水野しず:「ふうん」って言うと印象が良くないですが、特に異議なしといった感じで、グランプリ自体に対してはなにか特別な感情が沸き上がってくるということはありませんでした。それを(ミスiD2014お披露目イベントがあった)ジョイポリスで言ったら、あるメディアには「水野しずは”別に”といった様子で、会場をシラけさせていた」って書かれましたね。ひどいなぁ、みんな。でも確かに、書きにくいですよね。

困惑したんじゃないでしょうか。アイドルの中に突然鬼が出てきて。

水野しず:そうですね。当日はクレオパトラの格好で、どう受けとればいいのか分からない、不安な気持ちになる「エジプトショートコント」を3つやりました。

その動画見ました(笑)。水野さんはInstagramへの投稿は動画がメインですが、動画のどこを楽しいと思っていますか?

水野しず:私には”イントネーションが気になってしまう病”みたいなところがあって。学生のときに住んでいた岐阜や名古屋には、色々な方言のるつぼのような土地で、自然と発音が気になるようになっていました。イントネーションがちょっと変わるだけで、言葉にこもる魂が全然違ってくるんですよ。動画なら微妙なニュアンスも伝えられますよね。ネット上にある文化は文字がベースでこういう部分を削ぎ落しているから、動画でその部分を出せたら面白いかもなしれないと思っています。生まれた時にはインターネットなんて無かったし、育った田舎には”インターネット的な都市型のネットワーク”みたいなものがなかった。だから自分の中に常に孤立とか孤独がある。でも、その感覚は何かを表現するときにすごく大事だと思うんですよ。インターネット的な自分もあるけど、「どこにも繋がっていない自分」、「誰にも伝わらない自分」も絶対にある。だからこそ分かってもらうためにはどうすればいいのかを必死に考えます。
インターネットは楽しくやれているし、ツイッターも楽しいけど、それはインターネットに繋がっていない自分、つまりNO INTERNET水野を持っているからだと思っています。

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水野しず

水野しず

違和感を燃料に燃え上がる夢のエンターテイメント施設。

自身がままならない不条理な世の中に対して違和感を抱え続ける様を漫画やイラストで表現。菩薩として鬼として現世の混迷を照らすアイコン。イラスト、漫画、モデルなどジャンルの枠に囚われず活動。長所、正直。短所、正直。

WEB SITE:http://mizuno-shizu.jimdo.com/