特集

~ 私、音楽に対してヤリマン気質なところがあるんです ~
大森靖子

大森靖子の音楽は、常に事件だ。ポップミュージック≒握手券となった2013年。彼女はとびきりキュートに、そしてラディカルに音楽界を席巻している。

3月に発売された1stフルアルバム『魔法が使えないなら死にたい』はCDショップ、Twitterを始めリアル/ネットを問わず各所で大きな話題に。その勢いのまま開催した5月の渋谷クアトロでのワンマンライブはレーベル無所属という異例の状況のなかソールドアウト。7月に開催された日本最大級のアイドルフェス「TOKYO IDOL FESTIVAL」では他のティーンエイジアイドルを凌駕するパフォーマンスを見せ、彼女のことを未だ知らなかったアイドルファンたちを虜にした。

19歳でギターを手に高円寺で歌い始め、今年で8年目。オルタナティブに、しかしただひたすらメジャーシーンを目指す彼女の目に今、映るものは。これまでのこと、気になる女の子のこと、11月にリリースが予定されている来来来チームとのコラボーレーションアルバムのことを聞いた。


Edit:竹下ジャパン甘噛みマガジン)/ Photo:オノツトムA/M


Costume cordination:スエタカヨーコ(Daredevil)/ Location:しぶや花魁


先日、26歳の誕生日を迎えられたということですが、これまでの音楽活動を振り返られて感想はありますか?

大森靖子:19歳で音楽を始めたんですが、音楽活動においての歳のとりかたとして、ラッキーだったなと思います。器用な方ではなかったし、見た目も、今よりブスだったので、大人に若さを食い物にされることもなく、売れないぶん自分で自分をどんな方向に持っていくべきか考えることができました。26歳の今にピークを持ってくることができて良かったです。

ハロプロショップでのインストアライブを始め、今年の春頃からアイドルイベントにも多く出演されています。7月におこなわれた「TOKYO IDOL FESTIVAL」でのアップアップガールズ(仮)とのコラボレーションライブでは、メンバーの一員としてギターを持たずにガッツリ踊っていらっしゃったのが感動的でした。

大森靖子:私、全然踊りたくないんですよ、自分だけ変な動きになったりしたら嫌じゃないですか。普段アイドルのライブをみるときも、ジロジロ見てる感じであまりフリコピとかしていなくて。でも「大森靖子」を俯瞰して見たときに、「急に踊りだしたらなんか面白いじゃん」と思って。ただアプガのファンの方からしたら、大森靖子が誰かとか全然わからないんだから、踊ってもなんともですよね(笑)。

大森さんのアイドルに対しての思いは、ファンでもオタクでもない独特の視点ですよね。

大森靖子:私って男の人になるとしたら”ハゲでデブ”になりたいんですよ。その憂鬱こそ正義だと思うんですよね、だからこそ見える輝きってあると思うんです。だからアイドルを見るときは自分とは”違う生き物”だっていう目線なんですよね。劣等感から来る「美しさ」っていうか。地元にいたときもクラスの可愛い子はそういう目で見ていました。かわいい女の子は大好きなんですけど、クラスの女の子を好きになったらキモがられるだけじゃないですか。でもアイドルは自分から「好きになってください」っていう素晴らしい存在で(笑)。いくら愛してもうざがられないし。溢れてるんですよ、かわいいものへの愛情が。

モーニング娘。道重さゆみさんの大ファンであることを公言されていますが。

大森靖子:ダントツですね。中学生ぐらいのときからずっと歌手になりたいと思っていたんですけど、その頃知っていたのが浜崎あゆみと椎名林檎とSPEEDとモーニング娘。で全員かわいいじゃないですか。だから「あ、私ブスだから歌手なれないじゃん。(モーニング娘。の)辻・加護は同い年なのにすごいなぁ」とか諦めていたんですよ。でも東京に来て、19歳ぐらいになったらアンダーグラウンドな音楽のこともだんだん知って来て「こういうのもアリなんだ」みたいな。

19歳からギターを手に歌い始め、高円寺界隈で活動を開始して、豊田道倫さんや加地等さんたちと仲良くなっていった頃に「これだ!」みたいな?

大森靖子:豊田さんは口は悪いですけど、面倒見がすごいよくて、私が23歳の時にまだCDもだせてないし、一応女子なのにもうやばいって思いつめていた時があって、そのときメールしたら「俺23歳ではじめてライブしたから」ってメールくれて、すごい救われたことあったんですよ。

加地さんはちょっと別で、仲良くなってから音楽を聴いたんですけど、歌で、ヤリマンについての歌(『とりあえずヤリマン』)があるんですけど、基本的に男の人って「ヤリマンは嫌いだ」ってスタンスじゃないですか。でも加地さんは「ヤリマンこそ女神だ」みたいなことを歌っていて、それがすごく衝撃だった。こんな優しい人はいるのかと。

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FLJ

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Fine、WARP全盛期の編集長、大野俊也が手がけるフリーマガジン。
FLJとは、FILTH, LIBERTINE & JUSTICEの略。ファッション+音楽+アート+スケート+ライフスタイルを主軸に、ストリートからワールドワイドに展開している。

ソーシャル TV 局『2.5D』×クリエイティブエージェンシー『A/M』 ×『旬の女の子』のトリプルコラボレーション連載「XXX IDOL」第七回目に、大森靖子が登場しています。

竹下ジャパン

竹下ジャパン

1988年生まれ。2012年、グラビアアイドルや若手女優をフィーチャーしたウェブマガジン「甘噛みマガジン」をリリース。他のメディアと一線を画した熱量を持った記事構成にコアな人気を集めている。ライターとしても精力的に活動。「Quick Japan」「サイゾー」「Bounce」「週刊大衆」「快速マガジン」などに寄稿するほか、アイドルイベントの司会業などもおこなうユーティリティプレイヤー。

大森靖子

大森靖子

修行のように毎日どこかでライブをしているまあまあ可愛い女がいると口コミで広がり、 2013年1stフルアルバム「魔法が使えないなら死にたい」を発売すると各方面でとりあげられ、リリースツアーファイナルを渋谷クワトロで開催、レーベル無所属のままソールドアウトさせ、伝説のはじまりと称されるも、変わらず連日ライブとハロヲタの活動を充実させている。アイドルヲタ独自の活動も広げ、対バンするアイドルとコラボすることも。BiSとの共演が好評。

OFFICIAL SITE: http://oomoriseiko.info/