特集

日本人クリエイター対談 -Lapalux編-
PARKGOLF × Licaxxx

昨年、Bok Bok、FaltyDL、Jim-E Stack、Matthewdavidら4組を軸とし、日本の最新の音楽シーンを語る上で無視することの出来ない重要なビートメイカー、DJ、音楽にまつわるエディターなどを招集、夢の対談を実現させた日本人クリエイター対談。その続編とも言える形で、今回はLapalux、Ryan Hemsworthの2組に焦点を当てて展開する。

まず、4月にBeat Recordsからアルバム『Lustmore』の日本盤をリリースしたLapaluxに焦点を当てる。フライング・ロータスが惚れ込み、ポストR&B~インターネット世代を牽引するLapaluxことスチュワート・ハワード。映画『シャイニング』のワンシーンからインスパイアされて制作された今作は、”覚醒状態から睡眠状態への変遷意識下における経験”がテーマとなっており、彼が奏でる儚さと色気を感じることができる作品だ。

今回対談には、今年リリースしたアルバム『Par』が各方面から話題を呼んでいる、北海道在住のトラックメイカーPARKGOLFと、全国各地をビートミュージックを中心としたDJスタイルで飛び回っておりジャンルレスな活動を広げているLicaxxxの2名を招いた。今回は事前に両名の質問に対しLapaluxが回答、その後日本人クリエイター対談を遂行した。3人の共通項は果たしてあるのだろうか。


Edit : 加藤諒(2.5D)/ Photo : 上野修宏(2.5D)


lapalux

今回のLapaluxのアルバム『Lustmore』聴いてみてどうでしたか?

PARKGOLF(以下、P):めっちゃ良かった。

Licaxxx(以下、L):聞いてみたら、めっちゃ好きだった。 雰囲気は前作から共通するものがあったよね。ちょっと夢っぽい。でも、今回は前作に比べるとハッピーなものを感じた。4曲目の『Midnight Peelers』とか割と難解系だったね。

P:Lapaluxは、だいたい難解系だよね。

L:でも、踊れる。アルバムの中でも好きすぎて別のラジオでも紹介したのが10曲目の『Don’t Me an A Thing』。途中から、4つ打ちになるの。こういうグルーヴ得意だよね。ちょっとよれてて、裏の裏で拍を取るみたいな。

P:俺はね、6曲目の『We Lost』が良かった。イントロのエレピの音が好き。俺、結構朝みたいな曲、”天気のいい朝7時くらいの部屋の中”みたいな曲が好きで。そういう雰囲気をこの曲に感じた。その光景の中に人は映ってこない。

L:定点カメラの視点ね。

P:そうそう、しかもめっちゃキレイな部屋。俺んちでは無い(笑)。まあ、英語の歌詞がわかんないから全く違う事言ってる可能性あるけど(笑)。

PARKGOLF:僕は初めてLapuluxのDJを見たのは 2013 の『Nostalchic』リリース後のBRAINFEEDER3でThundercatとTeebsと3人で来ていた時、たまたま都合があって東京も大阪の公演も2つとも行きました。前作から今作に至るまでの心境の変化はありましたか?

Lapalux:『Nostalchilc』を作っていた頃、そしてレコードが発売された頃を振り返ると、アートが認識されるためには、そして評価されるためには、何が必要なのかまだよくわかっていなかったと思う。何もかもがめまぐるしく起こっていたし、世界中を旅しまくっていたからね。デビュー・アルバムのその全ての騒ぎが落ち着き始めると、俺はもっと自分自身の内面を見るようになって、これまでに起こったことや今のレベルに達したことを気に留めないことに集中するようになった。そうしないと、それが自分のエゴを刺激して、自分の音楽に対する考え方を変えてしまうと思ったんだ。それでアートが劣ってしまってはダメだからね。

LicaxxxさんはLapaluxとの出会いはいつ頃ですか?

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L:多分、PARKGOLFと同じなんだよね。

P:そういえば、俺がLapalux見に行ったときにちょうど俺ら初対面だったよね。北海道から俺とBUDDAHOUSEで遊びにきてBRAINFEEDER3遊びに行こうみたいになって。そこで挨拶した。

そしたら割とエモい場じゃないですか今日(笑)!

L:めっちゃ懐かしいね。みんなTwitterでは知り合いだったんだよね。初めて聴いた時はもう覚えてないけど、出会ったのはその時。

今回のアルバムと同様に、ジャケットは映画「シャイニング」のバーのシーンからインスピレーションを受けてのアートワークなのでしょうか?

Lapalux:そう。アルバムのアートワークも、このアルバムのサウンド全体も、あのシーンにインスパイアされているんだ。あの、天国と地獄の間にいるような感覚がアイディアの中心になってる。自分のリアリティがよくわからず、思いきってアリスのウサギの巣穴に落ちて行く、そんな感覚だよ。(不思議の国のアリスのウサギの巣穴に落ちて行く=幻覚的な体験をするという意味。)

お2人は映画から影響を受けた作品はありますか?

L:私は寺山修司。

過去のインタビューでも仰ってましたよね。

L:そうそう。

P:俺は映画に影響を受けることはほとんどないかな……。今までそういう事をしたことがない。でも、Licaxxxがリミックスしてくれた『HERSHEY’S』って曲は映画の最後にかかる曲みたいなものを作りたくて作った。大きな問題が一つあってそれをやり終えてばっと居なくなっていくみたいなシーンを思い浮かべて曲にした。

PARKGOLF:現在のUKのシーンについてどう感じますか?

Lapalux:UKの最近の音楽シーンはどんどん移り変わっている。だから着いて行くのが本当に大変なんだ。俺自身は次に何が盛上がるかとか、何が一番流行っているかとか、 そういうことは正直気にかけていない。今の時代、人々はどんどん自立しているし、インターネットやソーシャルメディアで自分の世界を持っているからね。

お2人は現在のUKシーンについてどう思いますか?

L:ちゃんと追えてるかが不安だけど……。The Trilogy Tapesにハマってる。The Trilogy TapesとC.E.の関係性みたいにファッションとアンダーグランドがちゃんと繋がってるから、その辺はいいなと思う。

P:この間、初めてロンドンに行ったけど結構特殊だと思う。暗い曲が多いイメージだったけど、PC MusicとかKero Kero Bonitoとかは逆をやっていてロンドンの中でも特殊なラインだと思った。

L:最近、音楽掘ってる?

P:あんまり掘ってない。

L:音楽ね、レコード扱ってるWEBでしか掘らなくなったんだよね。Soundcloudでは掘らなくなった。

P:こういうことだと思うんだよ。日本でも2年くらい前にトラップからのジャージークラブみたいな流行りがあったとき。Lucky meとかが勢い付いて行ったときの感じの頃から今までの2年で、最近のインターネットの音楽の人たちみたいなのがが出きったと思うんだよね。

なるほど。

P:出きった人たちがSoundcloud以外の場所で発表していくみたいな。

L:うんうん。

P:だから、ここ2年で出きった人たちが普通にリリースをしてるから、Soundcloudで音楽を聞かないっていうことだよね。ちょっと落ち着いちゃったもんね。

L:なるほどね。たしかにそうかも。ネットで聴いて良いと思ってた人たちは普通に売ってるから、作品発表の場がグレードアップしたっていう。今も、良い曲を作ってるアーティストがSoundcloudに居るのかもしれないけど、割とはずれトラックみたいのが多くて疲れちゃうよね。でも、その点、売ってるものってやっぱりある一定のクオリティは保ってるからね。

P:でも、正直驚きは無いなみたいな。

L:たしかに。こんなのもあるんだ~っていう驚きはないよね。

P:ジャージークラブが流行りきったっていうところから、本当に今なにも無い状態。

L:テクノハウスになりはじめた状態から、また全部が細分化されていって。

P:そう、それでもうみんなバラバラにやってますみたいな。

L:グライムっぽいのに走った人と、私みたいにロウハウス、ロウテクノにいった人。あとはもっと違う音楽をやろうとしてった人。前のインタビューでもバラバラになったねって話したけど、今はもうバラバラになり続けてる(笑)。

▶次のページでは、よりディープな2人のトラックメイキングについて
Lapalux

Lapalux

UK を拠点に活動するプロデューサー、ラパラックスことスチュワート・ハワード。2010 年に、〈Brainfeeder〉の総帥にしてエ レクトロニック・ミュージックシーンのアイコンでもあるフライング・ロータスからの評価を獲得し、すぐさまレーベルと契約。 初期 EP や、ボノボ、アンドレア・トリアーナ、リアン・ラ・ハヴァスらのリミックスで注目を集めると、UK の人気音楽誌 Mojo はデビュー作『Nostalchic』リリースの際に、「ラパラックスは、まさにフライローのごとくコンテンポラリー・エレクト ロニカ・シーンのトップ・ランク入りを果たした」と評した。アルバムはデビュー作にして傑作となり、エレクトロニック・ミュー ジックを未来へと進める若きプロデューサーの才能を世に知らしめた。2015年4月に待望の新作『Lustmore』をリリース。

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Lustmore

Lustmore

アーティスト:Lapalux
発売日:2015年4月8日
レーベル:Beat Records / Brainfeeder
ASIN:B00TOCIH2I
EAN:4523132116686
参考価格:¥2,160
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PARKGOLF

PARKGOLF

札幌在住のBeatmaker / ProducerのPARKGOLF(パークゴルフ) 「Fogpak」や「PIPE DREAM COMPILATION VOL.1」など数々のコンピレーションへの参加。Maltine Recordsからのリリース、SEBASTIAN X、tofubeats、Spazzkid 等の楽曲REMIX、そしてDAOKOのメジャーデビュー作のプロデュースを手がける。さらには様々なイベントへの参加でインターネットのみならず各所で常に注目を浴びる存在。2015年4月8日に待望のアルバムを、Seiho 主宰 Day Tripper Records から「Par(パー)」をリリースした。

twitter:https://twitter.com/parkgolfeee
instagram:https://instagram.com/parkgolf1/
YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=VxMGxfYnYI4

Par

Par

アーティスト:PARKGOLF
発売日:2015年4月8日
レーベル:Day Tripper Records
ASIN:B00U7Y211A
EAN:4589945400039
参考価格:¥2,400+税
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Licaxxx

Licaxxx

1991年生まれのDJ、ビートメイカー。ビートミュージックを中心にファンキーかつ骨太なプレイを心がけたDJスタイルで都内を中心に全国のあらゆるジャンルのパーティーに出演。オーバーグラウンドな活動をしながらもアンダーグラウンドなプレイに注目が集まっている。また楽曲制作、JetSetでのDJチャート、block.fmにてレギュラー番組”SEXY808”のパーソナリティなど音楽にまつわる様々な活動を行う。

Official Site:http://licaxxx.flavors.me/
C CHANNEL:http://www.cchan.tv/clipper/licaxxx