特集

TOKYO IDOL NET「輝ける理由」
~vol.3 PASSPO☆編~

アイドルには、突然輝きを増す瞬間というのがある。もしかしたら多くのファンは、その瞬間を見るために応援しているのかもしれない……。

ライブレポートやポートレートを中心に、写真とアイドルをコンセプトに展開するウェブサイト「TOKYO IDOL NET」とTOKYO IDOL編集部とのコラボ企画がスタート。TOKYO IDOL NETの写真にコラムを添えて、注目のアイドルグループを紹介していく。第3弾でピックアップするのは、2015年5月31日より7人体制となり新たなスタートを切った「PASSPO☆」だ。

2009年の結成から6年目となるPASSPO☆は、旅と空をコンセプトに活動するガールズロックユニット。結成当初よりライブ活動をメインとしており、会場との一体感を生み出すパフォーマンスは多くのアイドルファンに支持されている。

今回、TIF2015(TOKYO IDOL FESTIVAL 2015)を盛り上げたグループの代表としてPASSPO☆に登場してもらった。TIFへの参加は2010年の初回から皆勤賞の6回目。そして今年は、ほかグループとのコラボステージに挑戦する、メインとなるHOT STAGEでの1日目のトリを飾るなど、TIFを代表するグループとして活躍していたのだ。特にTIFの1日目のHOT STAGEでは、キャプテンの根岸愛から「PASSPO☆は初回のTIF2010から連続で出演しています。その間に新しいアイドルグループがたくさん増えましたが、なくなってしまったグループもたくさんありました。私たちはそんなアイドルさんたちの気持ちを背負って活動していきたいと思います」」といった内容のコメントが語られ、PASSPO☆のTIFに対する思いの強さといったものが感じられた。

PASSPO☆にとってTIFとは?

TOKYO IDOL NETでは、キャプテンの根岸愛、岩村捺未、玉井杏奈の3名のポートレート撮影を実施。同時に、あらためてTIF2015を振り返ってもらい、これからのPASSPO☆について話を聞いてみた。


PHOTO:西村一光・Yusuke HOMMA(COLORIST:芳田賢明)・ワタナベタイシ
TEXT:荒井敏郎(TOKYO IDOL NET

根岸愛

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TIF2015のTOKYO IDOL NETが選ぶベストアクトは、結局PASSPOかなと思いました。

根岸愛(以下、根岸):それはうれしいですねぇ。

岩村捺未(以下、岩村):PASSPO☆好きですね(笑)。

PASSPO☆を見ていて、TIFのちょっと前から変わったなと思ったんですよ。

根岸:お、さすがですね。

玉井杏奈(以下、玉井):いや、ほんとにほんとに。

特にパフォーマンスの面で真面目になったというか、気持ちが伝わるというか……。

玉井:そこに気づいたあなた、すごい! それって意識的にやっているというより、気持ちの問題なんですよ。ステージにいながら、PASSPO☆がなんか変わったなっていうのは感じていて、それを自分からどこかに発するでもなく、指摘されることもなかったんですけど、初めて言われた。7人になって確実にみんな変わったと思う。

岩村:全然気づかなかったよ。

根岸:ちょっと~。

岩村:でも夢中になっているんだと思う。フライト(ライブ)中は。

玉井:特に気をつけようとかじゃなくて、みんな夢中でやってるのかもね。

それぞれ気合いが入っているんですかね?

玉井:たぶん。7人がフライトのひとつひとつにかける思いみたいなのが、ほんとに足並みがそろっているので、その辺の気持ちに対しての不安が全然ないです。

岩村:フライトのときのセトリはスタッフとメンバーとで決めるんですけど、最近はそれをすごく丁寧に考えていて……。

玉井:TIFに関しては竹中(夏海)先生が「このステージはこういう特徴がある」とか、私たちが気づかないことまで教えてくれたんです。1日目のトリのHOT STAGEについては、「好きなグループを見終わって、あとはPASSPO☆だけ見て帰ろうって人がたくさんいるから、そういう人たちにPASSPO☆が6年間やってきたっていうことを再認識させるようなステージにしよう」と話していました。

根岸:あと、先生が「オタクは泣きたいんだよ」って言ってた。

玉井:うちらポカーンだったけどね(笑)。

根岸:意識が変わったっていうのはあると思うんですけど、いままでも頑張ってなかったわけじゃないんです。でも、これまでたくさんイベントに出させてもらった中で、何か残してきたものがあったのか? って考えたときに、そこで何かを残せてきたっていう実感があまりないという反省があって……。その1回のステージしか見に来ない人もいるので、そういう意味で1個1個全部のステージをちゃんと大事にしたいってなりましたね。

玉井:前までは個々でそう思っていたことなんですけど、7人になって意思疎通じゃないけど、「こういうステージにしよう」など、細かい事まで言い合うようになったので、毎回すごい楽しいです。

槙田(紗子)さんが休止しているのは大きいですか? そこでガラッと変わったイメージがあったんですよ。

玉井:いまだから言えるのは、さこちゃんが休業するっていうのは、まこっちゃん(奥仲麻琴)が卒業するときに、うすうす感づいていて……。いつか7人でやっていかなくちゃっていう覚悟がみんなに生まれたんです。さこちゃんが休業発表するまでもしてからも、「ゼロからやり直す気持ちでいないと倒れちゃうよ」って話はしましたね。

今年に入ってからその覚悟はできていて、槙田さんの休業でパフォーマンスに表れてきたって感じなんですね。

岩村:7人になってから、なんか強くなった気がする。

玉井:そうだね。だから全部に意味があったって思うよね。たぶんさこちゃんが休業してなかったら、いまのPASSPO☆ではないし。

岩村:ないと思う。

根岸:ないね。

岩村:なんか普通に前の感じだったと思う。

玉井:だから感謝していますよね。

根岸:TIFも楽屋に来てくれて。

玉井:そのとき私たち男装してたから「見ないで!」って(笑)。

岩村:久々に会ったのに「これ!?」って(笑)。もっと可愛い格好がよかった。

風男塾さんとのコラボステージですね。そうしたコラボステージも含めて、今年はTIFでの活躍がすごかったと思うんですよ。精力的だし、「はっちゃけ隊」もあるし。

玉井:ほんとにはっちゃけ隊は、あの2日間の暑い中頑張ってたよね。楽屋に戻ってきて麺2、3本食べて「行ってきます!」みたいな。

TIFが終わってから痩せてしまってたんじゃないですか?

岩村:痩せてなかった。

玉井:あれれれれれ。

岩村:あんまり食べてなくて、超動いたし、超汗かいたのに、痩せてなかった。

根岸:それ聞いたときに思ったのは、そのちょっと前になちゅ(岩村捺未)は誕生日があって、そこで増えたぶんがTIFでゼロになったんじゃないかって。

玉井:あー、確かに。

根岸:そんな分析をしました(笑)。

玉井:でも、ほんとにはっちゃけは頑張ってた。

根岸:握手会も私たちの倍やってるわけだから。

玉井:私たちはそのとき楽屋でグッスリだったよ(笑)。

PASSPO☆の中で今年のTIFを盛り上げていこう、みたいなものはあったんですか?

根岸:それはありましたね。去年、やっとほかのグループとのコラボとかがはじまったんです。最初の2010年は企画ものに出てたんですけど、それ以降、PASSPO☆は周りに絡むことがなくて……。

玉井:鎖国だったんですよ。

根岸:そんなにお高く止まりたいわけではないのに。

玉井:むしろやってみたいことたくさんあったのに。

根岸:そういう意味では、TIFにちゃんと参加したなって実感した年でしたね。

玉井:今年はトークイベントとかにもメンバー個々で出ていたし、私も踊り子としてステージに出させてもらったりとかしました。メンバーそれぞれでやりたいことが違うんだけど、PASSPO☆だからという理由で制限されることはないし、逆に「個々でやっていこうね」っていう年でもあったので、それを実現したなって思います。そしてみんなが集まったときに、PASSPO☆として意味のあるステージができたから、TIFはめっちゃ夏のいい思い出になりました。

7人体制になってからの苦労も多かったように思います。

岩村:振り直しが大変でした。

根岸:いやほんとに! くじけそうになりました。

玉井:今年はまず9人から8人バージョンになって、さこちゃんが抜けてからの7人バージョンがあって、ついこないだまでみおくん(増井みお)が腰痛でお休みだったので期間限定の6人バージョンがあって、それでまた戻して7人バージョンなので。

根岸:忘れる作業も大変。

玉井:かなり頭よくなったよね。

わからないようにやりますよね。それがキャリアかなって。

岩村:いまはメンバーがよく見ていて、「そこ間違ってたよね」って厳しい目があります。

ただ、自分たちで考えて活動するといった考えをスタートのときから持っているように思います。

根岸:まぁ、これまで与えられてやってこなかったし……。

玉井:プラチナムが初めて作ったアイドルだったから。

根岸:自分たちの中にないものを絞り出してアイドルしてたっていう。

玉井:ほんとにそう。普通の女の子だったからね。

根岸:そういうふうに育ってきちゃったので、嫌でもこうなりますよ。助かりますけどね、いまは。

玉井:レッスンルームに関しても、鏡がなくて、窓に映った姿を見て練習してたりとか。

根岸:「これでいいじゃん」って言われて、「あ、いいんだ」って(笑)。

玉井:あと、公園とかで練習したりとか……。レッスンルームがあるありがたみとか、マネージャーさんが衣装を洗ってくれるありがたみとか、そうしたものは後輩のぷちぱすぽ☆ちゃんに教えなくちゃいけないし、自分たちも忘れちゃいけないと思いますね。

根岸:それを知っているのは逆に強みだなって思います。当時はつらかったけど、そのぶんいまはありがたい。

岩村:ありがたい。

玉井:ほんとに思いますよ。ぷちぱすぽ☆ちゃんを教えるようになったのもあって、初心を見つめ直しまくるよね。

根岸:うん。

これからのPASSPO☆の目標はありますか?

玉井:作詞とか振り付けとか衣装デザインもそうですし、自分たちでセルフプロデュースして作っていくというのは変わらずやっていきたいですけど、いちばん近い目標は日比谷野外音楽堂でのフライトですね。いまの7人を野音で見せられたらいいなって思います。

根岸:やりたい!

野音っていうのがPASSPO☆っぽいですね。いまだと「武道館」とか出そうじゃないですか。

根岸:あぁ……。いまは「できない」っていうのはわかってるから。もちろん、目指してはいますし、その前に何をやったらいいかって考えると野音かなって。

玉井:まずは野音を埋めたいですね。埋めることにこだわっちゃうんですよ。なんだろう、いまの時代、みんな武道館でやりたいし、いろんな策を練ったら埋まっているように見せられるし、できちゃうんですよね。

根岸:できちゃう。

玉井:それがすっごい嫌いなんですよ。

根岸:そこはかたくなにずっと言ってきてますね。

玉井:だから自分たちが納得できるような位置になるまで、簡単に「武道館やります」とは言えない。

根岸:言えないねぇ。

玉井:っていうのは、よく話し合います(笑)。

根岸:大人になりましたからね。そしてその野音のためには9月から始まるツアーをきちんと成功させて。

岩村:ツアーを成功させるためには、対バンイベントとかできちんとアピールして。

根岸:そういうことなんです。ちっちゃいことからこつこつとやっていきたいですね。

岩村捺未

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もともとセルフプロデュース力があり、それぞれの個性が際立っていたグループだったが、7人体制になり、よりその個性に磨きがかかりながらも、グループとしてのまとまりがでてきた──というのが現在のPASSPO☆だろう。

2015年に入ってからの、知名度が高く人気メンバーであった奥仲麻琴の卒業と、特にダンスパフォーマンスの面で牽引してきた槙田紗子の休業は、グループにとってかなりの痛手だったに違いない。そこからいまのグループを作り上げ、TIF2015で最高のパフォーマンスを見せるというのは並大抵のことではないはずだ。7人でグループを続けていくというメンバーの覚悟があったからだろう。

実際、7人体制になってからのPASSPO☆のフライトは面白い。7人になった当初はステージでの華やかさに欠ける部分は感じられたが、グループとしてのまとまりを見せることで一体感が生まれるようになった。これまで個々に分散されてステージから届いていた楽しさが、大きなひとつになって飛んでくるようなイメージだ。

数多くのアイドルグループが存在する中、これほどまでに各メンバーの個性が強いグループはない。その個性がひとつになって作り出すステージは、一見の価値ありだ。9月13日からスタートする全国ツアーで、強くなったPASSPO☆を見てほしい。

玉井杏奈

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ライブレポートやポートレートを中心に、写真とアイドルをコンセプトに展開するウェブサイト。掲載している写真にはExif情報があり、シャッター速度やISO感度などを確認できるといった特徴がある。ウェブサイトの運営のほか、ジャケット写真の撮影やイベント用写真の撮影、ほかメディアへの写真の提供など、写真を中心にさまざまな活動を行っている。