特集

TOKYO IDOL NET「輝ける理由」
~vol.4 palet編~

アイドルには、突然輝きを増す瞬間というのがある。もしかしたら多くのファンは、その瞬間を見るために応援しているのかもしれない……。

ライブレポートやポートレートを中心に、写真とアイドルをコンセプトに展開するウェブサイト「TOKYO IDOL NET」とTOKYO IDOL編集部とのコラボ企画がスタート。TOKYO IDOL NETの写真にコラムを添えて、注目のアイドルグループを紹介していく。第4弾でピックアップするのは、2015年7月25日に新メンバー渡邊真由を加え、新体制となって初のシングル「All for One」を発売したばかりの「palet」だ。

ぱすぽ☆(現PASSPO☆)の候補生が集まり、2012年6月より始動。現在、6人体制で活動するアイドルグループ。グループ名の「palet」には、それぞれの担当カラーでファンを染め上げる──という意味が込められている。

そんなpaletは2015年、大きく変化した。6月21日に活動初期からのメンバーであった君島光輝、木元みずきが卒業。しっかり者でファンからの人気も高く、副キャプテンのような存在でもあった君島と、独特の言葉のセンスでステージを楽しませ、MCなども担当していた木元の卒業は、グループが危機的な状態になりかねない大きな出来事だった。そんな状況を打開すべく、7月25日に新体制のpaletが発表された。それが、新メンバー渡邊真由の加入と、平口みゆき新キャプテンの誕生だ。

paletは9月13日に全国7大都市で開催してきたツアーファイナルを終えたのだが、新体制となって初となる、このライブツアーの内容が素晴らしかった。これまで以上に、ステージでのライブパフォーマンスで「魅せる」グループに生まれ変わっていたのだ。

paletが新体制になって得たものとは?

TOKYO IDOL NETでは、キャプテンの平口みゆき、結成時からキャプテンとしてグループを引っ張ってきた藤本結衣、新メンバー渡邊真由の3名のポートレート撮影を実施。新体制のpaletについて、それぞれが思うことなどを聞いてみた。


PHOTO:東倉嵩典・Yusuke HOMMA(COLORIST:芳田賢明)・ワタナベタイシ
TEXT:荒井敏郎(TOKYO IDOL NET

平口みゆき

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新体制でいちばん驚いたのは渡邊さんの加入なんですよね。ステージを見ていても、本当にいまのpaletにピッタリなメンバーだなと感じました。どういった経緯でグループに加わることになったんですか?

渡邊真由(以下、渡邊):私は「サンミニ」っていうグループを兼任しているんですけど、以前からpaletさんと一緒にライブをさせていただくことが何回かあって……。あ、先輩だったので「paletさん」って呼んじゃうんですよ(笑)。そのときに、お客さんとステージの一体感っていうのがすごく伝わってきて、正直、アイドルとか興味なかったんですけど、paletはすごいなって思っていました。そしたらpaletのプロデューサーさんに呼ばれて、そこにはpaletとサンミニのマネージャーさんもいて、怖くて……。ほんとに怖かったんですよ!

藤本結衣(以下、藤本):しかもそのとき、そのプロデューサーがpaletやってるって知らないですからね。よくわからない、知らないおじさんに呼ばれた、みたいな。

渡邊:そうなんです。だから「何かやらかしたかな?」って。そしたら「paletからメンバーが卒業するんだよ」って言われて……。私関係ないじゃん、みたいな(笑)。「そうなんですね」って言ってたんですよ。で、「ナベちゃんやって」っていきなり言われて、「私サンミニなんですけど」って言ったら「兼任ってかたちでやってほしい」って……。

なるほど。プロデューサーさんが選んだんですね。

渡邊:私が入るって知らなかったよね?

藤本:知らなかった。基本的に事後報告が多いので。「新メンバーが入ることになるかもよ」って言われてはいたんですけど、スカウトして入れるのか事務所の子を入れるのかわからなくて……。そしたらある日、「『わたなべまゆ』ちゃん知ってる?」って言われて。え、どこの? AKBの? うちの事務所の? ってなって、「サンミニの子だよ」って言われて、あ、そういう体制があるんだ!? って思いましたね。

それまでお互い交流はなかったんですか?

平口みゆき(以下、平口):楽屋で軽く話すことはあったけど、ちゃんと話すようになったのは新メンバーとして入ってからですね。第一印象は大人っぽくて落ち着いているのかなって思ってたんですけど、楽屋で「ギャーギャー」言ってて、よくしゃべるしよく笑う……。それがワンマンライブに向けて活動していくうちに、すごい真面目だったり一生懸命だったりな面もあって、「できる子」っていうのが伝わってきて、そのギャップはいいなって思いました。

渡邊:YDKですか?

藤本:「やればできる子」ね。すみません、若者だから。

渡邊:すみません。

藤本:あ、これ、書かなくていいです(笑)。

一応、メモしておきます(笑)。渡邊さんが加わって新体制になってから、パフォーマンスの面で特によくなったと思うんですよ。何か具体的に変えてきたことってありますか?

藤本:それはほんとにみゆっちょ(平口みゆき)が先導して引っ張ってくれた感がありますね。レッスンのときに「この曲の振り合わせをやるよ」とか、1日前にLINEのグループに送ってくれたりして……。細かい部分までの振り合わせなんかは正直やってこなかったので、それを3周年ライブのころからやり始めましたね。

平口:レッスンの空気感も、それまでは楽しみながらやっていて……。でもみんな焦りとかも出てきたし、6人体制になって変わったところを見せなきゃっていう意識もあったし、そういう面で真由ちゃんが入ってくれたのはよかったのかなって思います。

藤本:これまではスタッフさんに言われたことをやってきたんですけど、3年経って、自発的にやり始めたのは変わったなって思います。大人の人からどう見られているかとか周りからどう見られているかとかじゃなくて、自分たちで何が足りないのか感じとれるようになったのは大きいですね。

平口さんはキャプテンになったことで前に出てくるようになったし、逆に藤本さんは肩の力が抜けていい感じになりましたよね。

平口:結衣はステージでのびのびパフォーマンスできるようになったって思いますね。結構真面目な面があって、そういうところが払拭されて、ふざけた面も出てくるようになったし、グループとして面白くなったと思います。私自信も前に出てしゃべることが苦手で、自分の殻を破ることができなかったんですけど、こういう機会をもらって、どんどん変わっていけたなっていうのは感じています。

渡邊さんはサンミニのメンバーとして、平口さんは舞台、藤本さんはラジオなどのしゃべり仕事と、それぞれpaletとは別の面で個人として活動していますが、それがpaletに生きている部分ってありますか?

渡邊:2つのグループに所属しているのは私しかいないから、私にしかわからないことがすごいいっぱいあるんだろうなとは思っていて……。サンミニもいいところがあるし、paletにも別のいいところがあるし、それぞれ悪いところもあるじゃないですか。だから、サンミニのいいところをpaletに持っていって、逆にpaletのいいところをサンミニに持っていったりしたら、両方いいグループになるんじゃないかなって思っています。

藤本:2つのグループをやってるってすごいですよね。メンバーも違うし……。

派生ユニットではなく、まったくの別グループですからね。平口さんはどうですか?

平口:私は、リリースイベントなどで「表情がやわらかくなった」とか「いろんな表情ができるようになった」って言われるようになって、それって舞台の経験が生きてるんじゃないかなって思います。逆に舞台は、paletでステージに立つことがあったから、あまり緊張しなくなりましたね。私はこれまですごい緊張しいで、手汗もすごいし、お腹痛くなったりしてたんですよ。それが、「舞台で堂々としていてビックリした」って言ってもらえることも増えました。両方にいたからこそっていうのをすごく感じていて、だからそういう面をもっと生かしたいなって感じています。

舞台もライブもお客さんを相手にするという点では同じですからね。

平口:あと、メンタルがすごい強くなりました。お芝居のあとのアフタートークで、めちゃめちゃダダ滑って……。でも、paletでも滑るし大丈夫だなって(笑)。気持ちの持ち方っていうのが変わりましたね。

藤本さんはどうですか? 個人でしゃべる仕事をやっていますが、ステージではそれほどしゃべる機会はなくなりましたよね。

藤本:そうですね。でもそれが逆によくて。いままでは、MCのときはまとめてこの流れに持っていかなくちゃっていうのがあって、ステージ中も曲の途中で次のMCのこととか考えちゃって使命感にかられていたんですよ。追い立てられる感じで、メンバーと絡む余裕もなくて……。煽りもやらなくちゃだし、歌もダンスもやらなくちゃだし、MCも告知もやらなくちゃだしってなっていて、割と目いっぱいな状況でライブに挑んでたんですけど、それが最近はMCがりーちゃん(井草里桜菜)に代わり、告知もほかのメンバーがやってくれるし、最後の締めも新キャプテンのみゆっちょがやってくれるようになって、「あ、私別にそんなに気負ってやらなくていいんだな」って、最悪、やらかしてもメンバーの誰かが助けてくれるなっていうのがあって、だからこそ自分らしさっていうのをあらためて探す旅に出られているのかなってすごく思います。いままでだと、真面目とか80点狙いのアイドルとか言われてたんですけど、普通だとつまらないと思ったので、私らしさというか、ひとつひとつのライブで、「今日はこういう藤本が面白かったね」って言ってもらえるような人になりたいなって思っています。今年はライブで見せられるアイドルになりたいですね。

そうすると、余計にライブでの個の立ち方が大事になってくると思うんですよ。これから年末に向けてライブがありますが、そこでpaletはこう変わっていくぞ! みたいなものってありますか?

平口:これまでは、スタッフさんがそれぞれの役割とかステージでの細かい部分をすべて決めてくださっていたんですけど、真由ちゃんが入ったタイミングで全部私に考えさせてくれるようになったんです。ひとりひとりに役割を決めて、ひとりひとりをどんどん伸ばしていきたいっていうのが私にはあって……。結衣が煽り担当だったんですけど、ちょっとそこから外れて見守ってほしいなっていうのがあったし、のびのびとしてほしいっていうのがあったから変わってもらったんですけど、生き生きできるポイントになったっていうのをいま話してくれたのがうれしくて……。これからもひとりひとりの強みを生かして、それが集まったライブが「楽しい」って感じてもらえるのがいちばんだってすごい思いますね。

メンバーのことをよく見てますよね。これまで引いたところにいたから見えていたのかもしれないですね。

藤本:そうだと思います。いっぱい見てくれていたんだなってすごい思います。

平口:ニヤニヤしちゃうんですけど(笑)。

藤本:褒められるとね(笑)。

平口:ひとりひとりの信頼感っていうのが、ここにきてグッと上がってきていますね。結衣がこれまで気負ってたぶんを私が任されたんですけど、誰かが助けてくれるっていうのがあって、気負う部分はすごく少なくなっていて……。

キャッチフレーズですからね。

平口:「みんな支えてね」(笑)。

藤本:そうですよね(笑)。だからファンの人に「大丈夫?」ってめちゃめちゃ言われててビックリしました。メンバー的にはしっかりしているのはわかってるし、レッスンとかも引っ張ってくれていたから大丈夫っていうのがあったんですけど、ファンの人には伝わってなかったみたいなので、そろそろキャッチフレーズを変えないとですね(笑)。

平口:根は真面目なところありましたからね……。なんか自分でいうのもおかしい(笑)。でも、グッと変えてくれたのはファンの方とメンバーですね。「Time to Change」が出るときに、このままじゃいけないってすごく思って。メンバーも抜けちゃうし、誰が引っ張ってどう変わっていくのがグループとして正解かっていうのがわからなくて……。だから、だったら自分がそのポジションに立つしかないなって思いました。

渡邊:私は、逆に結衣ちゃんがキャプテンのときを全然知らないんですよ。私が入ったときからみゆきさんがキャプテンだったので……。ほんとにひとりひとりのことをちゃんと見てくれて、わかろうとしてくれるんですよ。私のことも、いちばん「どんな子なんだろう?」って見ててくれましたね。人間観察がすごい(笑)。

平口:好きなんですよ。

それはオタクだからかもしれないですね(笑)。

平口:なるほど。あるかも(笑)。オタクの部分も生きてきたってことですね。オタクでよかった!

藤本:え!? そんな締め嫌でしょ。「オタクでよかった!」って(笑)。

では、新曲の話を聞きたいのですが、「All for One」というタイトルからして今回のお話にピッタリですよね。

平口:新体制になった私たちにピッタリだなって思っていて、私のパートで「夢を夢で終わらせない」っていう歌詞があるんですけど、そこがすごい自分的にグッときて……。このメンバーでどんどん突き進んでいって、夢を叶えていきたいですね。みなさんに恩返しがしたいです。応援していてよかったって思ってもらえるのがいちばんなので。

藤本:ほんとに、グループとして変わってしまっていて、それでもついてきてくれてるってすごいことだと思います。

平口:メンバーが2人も抜けてどうなるのかな? ってなったと思うんですけど、真由ちゃんが入ってきてくれて私たちも心強かったし、ファンのみなさんも違和感なくなじんでるって言ってくれて、本当によかったですね。すごい運命感じちゃうんですよね。こんな子がいたんだ! って。ツアーファイナルの生誕祭もめっちゃ泣いちゃいました。「入ってきてくれてありがとう!」って(笑)。

渡邊:うれしいー!

会場のファンもみんな同じ思いでしたよ、きっと。それくらい救世主って感じがしますよね。

平口:はい。このメンバーでツアーも回らせていただいて、年末のライブの発表もあったので、絶対に満員にしたいですね。ツアーで悔しい思いをした部分もあったんですけど、そこでへこたれたら終わりだと思うので、もっとたくさんの人にライブを見に来てもらえるように、定期公演でさらに成長して、年末にガツンと見せられたらなって思っています!

藤本結衣

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これまでも、そのビジュアルやパフォーマンス、トーク力など、多くの面で評価を得ていたpaletだったが、半面、突出した「強さ」はあまり感じられないグループではあった。その強さを「ライブパフォーマンス」に求める心意気は、今後のpaletを大きく変えていくだろう。

君島光輝、木元みずきの強烈な個性を失ったことは、グループの中の「個」を弱めてしまったのは事実だが、渡邊真由の加入と平口みゆき新キャプテンの誕生は、メンバー全員の個を強め、グループ全体として成長しているように感じられた。今回のインタビューでも、メンバーそれぞれが役割を理解し、自分がpaletに貢献できること、を常に考えている──そんな姿が見られた。その思いは、残るメンバーの武田紗季、井草里桜菜、中野佑美も同じだろう。

12月28日の赤坂BLITZでのワンマンライブに向けて、10月からは隔週金曜日に計5回の定期公演が予定されている。新体制のpaletのライブパフォーマンスは、まだまだ未完成。きっとこの定期公演の間もレベルアップしていくはずだ。その中で、paletならではのステージが作り出されていくのだろう。

いつかあの星をつかむために、その一歩を踏み出したところなのだ。

渡邊真由

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ライブレポートやポートレートを中心に、写真とアイドルをコンセプトに展開するウェブサイト。掲載している写真にはExif情報があり、シャッター速度やISO感度などを確認できるといった特徴がある。ウェブサイトの運営のほか、ジャケット写真の撮影やイベント用写真の撮影、ほかメディアへの写真の提供など、写真を中心にさまざまな活動を行っている。