特集

TOKYO IDOL NET「輝ける理由」
~vol.5 アイドルネッサンス編~

アイドルには、突然輝きを増す瞬間というのがある。もしかしたら多くのファンは、その瞬間を見るために応援しているのかもしれない……。

ライブレポートやポートレートを中心に、写真とアイドルをコンセプトに展開するウェブサイト「TOKYO IDOL NET」とTOKYO IDOL編集部とのコラボ企画がスタート。TOKYO IDOL NETの写真にコラムを添えて、注目のアイドルグループを紹介していく。第5弾でピックアップするのは、”名曲ルネッサンス”をテーマに活動し、日本の古今の名曲を発掘してカバーする「アイドルネッサンス」。

14~16歳の6人で構成されたこのグループが歌う楽曲の中には、メンバーが生まれる以前に発売されたものも多い。しかし、彼女たちの歌は、当時オリジナルを聴いていた世代にもしっかりと届いており、さまざまな世代のファンがその楽曲を楽しんでいる。

なぜアイドルネッサンスの”歌”は届くのか?

10月4日に開催された恵比寿ザ・ガーデンルームでのワンマンライブでは、ノンストップでやり切ったパフォーマンスもさることながら、歌唱力の成長が見られたように思う。メンバー全体としてそれぞれの歌声がまとまり、アイドルネッサンスならではとも言えるユニゾンを生み出していたのだ。

TOKYO IDOL NETでは、石野理子とともに歌の面でグループを牽引する新井乃亜と、ハモりを中心に歌を支えている南端まいなの2名のポートレート撮影を実施。そして、楽曲ではなく、「歌う」という意味での”歌”について、話を聞いてみた。


PHOTO:ワタナベタイシ・Yusuke HOMMA(COLORIST:芳田賢明)
TEXT:荒井敏郎(TOKYO IDOL NET

新井乃亜

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ワンマンライブを見て、「歌」もいいなと思ったんですよ。

新井乃亜(以下、新井):えー、うれしい! いつも曲はいいねって言われるけど……。

そうなんですね。そこで今回は、「歌」を中心にお話をお聞きしたいのですが、お二人はグループに入るまでに歌のレッスンなどは受けたことはあるんですか?

南端まいな(以下、南端):まったくやってないです。

新井:歌は大好きだったんですけど、きちんとやり始めたのはルネッサンスに入ってからですね。

どんな感じで歌を覚えていったのでしょうか?

新井:最初のころは、どうやっていいのかわからなかったので人の真似をしていました。メンバーの(石野)理子さんの真似をしてました(笑)。

石野さんはグループに入る以前からアクターズスクール広島でやっていて、やはりある程度歌えていたからってことですよね。

新井:はい。あと、歌の先生に「歌手の方の真似をしなさい」と言われたので、いろいろな方の真似をしました。絢香さんとか……。

結構「強い」感じですね。

新井:私の声とは正反対な感じの方なので。

南端:まだボイトレを全然やっていなかったとき、のんちゃん(新井乃亜)ひとりで歌の練習があったんですよ。そのときになんかアニメ声みたいな、すっごい高い声で歌ってて……。

新井:「あ゛~~」(高音で声を出す)みたいな、すごかったんだよね。なんか、自分でも昔の音源とか聴くと「何この声~」とかなってちょっと引く。

南端:(笑)。

でも、そこから変わっていったんですよね。

新井:自分のその高い声が嫌だって思ったんですよ。それで、キンキンした声が出ないように歌うようにしました。

意識して直したってことですね。

新井:そうです。教えられたとかではなくて、アニメ声にならないように気をつけて(笑)。それで頑張って、いまにいたります。

南端:でも、たまーに出ちゃったりするよね。

新井:頑張って歌おうとすると、高いのがキーンて出ちゃうときがあるんです(笑)。

南端:(笑)。

新井:だから、変な声を出そうと思えば、いつでも出せます。

南端:そしたら「のんちゃんの声じゃない!」ってなるかも(笑)。

南端さんはどうですか?

南端:私も真似だったかもしれない。石野とのんちゃんの真似をして歌っていました。なんか、語尾の切り方とか、上げるタイミングとか、リズムの取り方とか、ちょっとためて歌うところとか、そういうのは全部、石野とかのんちゃんのパートから「こうすればいいんだ!」って学んで、自分の中でアレンジしてやってましたね。

ハモりパートが多いですよね。

南端:ハモもやらせてもらえるようになったんですけど、ハモをやるときは、パートというか、合わせるメンバーの歌い方の特徴をすっごい研究して、ひとりひとりそれぞれに合わせて歌うようにしています。

それはすごく感じます! アイドルネッサンスのメンバーの歌を、南端さんがつないでいるように感じました。

南端:そもそも、私は声が小さくて声量もなくて……。何を言ってるのかわからなかったので、声量はすごい頑張りました。「フー」って声を出して息を吐きながら腹筋したり、あとはロングトーンを出すために、ずっと真っ直ぐ「ウー」って言い続ける練習とかを自宅でやってましたね。

日々の努力ですね。そうした練習を新井さんもやってそうですよね。

新井:みんなやってます!

なるほど。それが歌の上達つながっているんですね。以前、曲の歌詞を読み込んで、その世界観をきちんと理解してから歌う──という話をされていましたが、世界観を知ることで歌い方などは変わりますか?

南端:変わります。最初、曲が送られてきたときにさらっと流して聴いたときのイメージと、歌詞を読み込んで聴いたときのイメージは違いますね。深いなって思ったりとか、全然違う! こういう意味だったんだ! って気づいたりとかも多くて。意味をわかって歌うと、感情が込められるので全然違います。

新井:一見、明るい歌詞に思えても、読み込んで意味を知るとほんとは暗い歌詞だったりすることもあるし、ワンフレーズワンフレーズしっかり理解して歌ってますね。

ライブのときもですか?

南端:はい。ワンフレーズずつ大事に歌ってます。

歌ってみて、この曲は難しかったなとかありますか?

南端:私は、個人的に「Lucky」がすごい難しいなと思って……。女の人と男の人の心情をどう表現していいのかわからなくて苦戦しました。前向きなんだけど、ちょっとまだ後悔している部分もあって、すごい悲しいってわけでもないし、すごい前向きってわけでもないし、なんかその複雑なごちゃごちゃした感情を出すのが難しいなって。

新井:「Good day Sunshine」っていう曲はシングルにもなったので、何回も何回も歌わせてもらっているんですけど、いまだに最初のソロのところが怖いです。理子さんのソロがあって、そのあとに私のソロがあるんですけど……。いっつも、そこの部分なんですよね、反省が。「また音外した」って。感情とかではなくて、単純に技術的なところなんですけど。

石野さんのあとだからですかね?

新井:それもあります。理子さんのあとっていうのは……。

南端:プレッシャーだよね(笑)。しかも石野の気持ちが入るからね。

新井:そうなんですよ! いい感じで入るんですよ。(上に指差すポーズをしながら)それで、こっちに来る来る来る~って(笑)。

南端:いっつも大変そうだなって思ってます(笑)。

やっぱり石野さんはすごいですか?

新井:はい。

南端:すごいです。

新井:歌に関しては神的ですね。

南端:いつも、すっごいプレッシャーが来て。「はい!」「すみません!」 みたいな(笑)。

新井:だからなんか、ちょっと理子さんに褒められたらうれしいよね。

南端:すごいうれしい! ライブ前とかにアカペラで自分のパートを歌うと、石野が「そこ、『ふんふんふふん(鼻歌)』だよ」って直してくるんですよ。それがないとすごいうれしいです。自分のパートを歌って石野をチラって見たときに何も言われないと、「よかった~」みたいな(笑)。

新井:なんか本番前とか、理子さんの顔を確認しながら歌ってる感あるよね。

南端:ある(笑)。

新井:いま、理子さんの顔が正常だから、うちら大丈夫! みたいな(笑)。

そこまで信頼してるってことですよね。すごいです。いわゆる同期のメンバーだし、普通は「放っといてよ」とかなりませんか?

新井:逆に、理子さんはガンガン派じゃなくてわりと控えめなので、もっと言ってほしいくらいだよね。

南端:うん! なんかそのあとに「あ、ごめん」とか言われると、「いいんだよ」ってなる。

新井:もっともっと言ってほしい。歌に関してはほんとに。

南端:ほかのことに関しては……。

新井:全然だけどね(笑)。逆にいつも怒られてるくらいだし。

そうなんですね(笑)。では、これからどういうふうに歌っていきたい、というのはありますか?

新井:アイドルネッサンスは、ひとりひとりの声が違って、それがまとまっている感じなので、なんかみんなが同じように歌うんじゃなくて、それぞれが個性を出しつつ、歌のスキルも上げて、そして6人が合わさってひとつの歌になればって思いますね。

同じ先生に習っていたら同じような歌い方になりそうですけど、そういうのがあまりないですよね。

新井:先生も歌い方に関してうるさく言わないんですよ。自分たちで考えて、それをやっていいっていうスタンスなので……。だから個性がなくならない。

南端:うん。

新井:やってみてダメだったりとかおかしかったりしたら直してくれます。

そうなんですね。面白いと思います。これから、3カ月連続シングルリリースなど、音源が増えていきますよね。

新井:音源出せるのはうれしいよね。歌っている曲を全部音源化したいくらい。

南端:これから3カ月かけてたくさんの曲を出させていただくので、全国に自分たちがやっていることを広めたいというか、こういうアイドルがいるんですよ! っていうのを知ってもらいたいです。

新井:そうだね。

南端:20代、30代、40代と世代が違っていても、生きて行く中で同じ道を同じ思いで過ごして来ているんですよね。30代の人が学生のときの気持ちで聴いてた曲を、20代とか40代の人が聴いても思うことが一緒っていうのがすごいことで。これまでやってきて、その素晴らしさを感じています。

新井:曲に対する想いって何も変わらないんだよね。現代になると「携帯電話」とかいう歌詞が入ってきたりするけど(笑)。

南端:そうだね。だから昔の曲だと、「何これ?」って言葉が出てきます。

新井:そのときは、意味調べだよね。Googleさんの出番(笑)。

南端:この言葉は、現代で言うこの言葉なんだ! って(笑)。

南端まいな

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アイドルネッサンスには石野理子という絶対的な歌姫がいて、その同じグループのメンバーを目標に、それぞれが”歌”に対して取り組んでいるのがわかる。ただしそれは単なる真似ではなく、自分の中にしっかりと取り込んでいるため、ユニゾンでも歌声の個性が失われないのだ。

そして、楽曲の歌詞についてもそれぞれが読み込んで理解し、ステージ上でワンフレーズずつ丁寧に表現していく。歌声だけでなく、その表現の仕方も個性として表れているため、そこに見えるさまざまな表情の中のひとつに、聴く側は自分の想い出を重ねていくのだろう。アイドルネッサンスが歌う楽曲が、世代を問わずに多くの人に届いているのは、そうした理由があるのかもしれない。

もちろん、歌などパフォーマンスの実力はまだまだで、学ぶべきものが多いグループではある。ただ、確実にレベルアップしているのは事実だ。これから恵比寿ザ・ガーデンルームにてレギュラー公演「エビスで想い出トラベルネッサンス」もスタートする。ステージを重ねることでさらに磨かれ、光り輝くグループへと成長していくだろう。

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ライブレポートやポートレートを中心に、写真とアイドルをコンセプトに展開するウェブサイト。掲載している写真にはExif情報があり、シャッター速度やISO感度などを確認できるといった特徴がある。ウェブサイトの運営のほか、ジャケット写真の撮影やイベント用写真の撮影、ほかメディアへの写真の提供など、写真を中心にさまざまな活動を行っている。