特集

TOKYO IDOL NET「輝ける理由」
~vol.6 わーすた編~

アイドルには、突然輝きを増す瞬間というのがある。もしかしたら多くのファンは、その瞬間を見るために応援しているのかもしれない……。

ライブレポートやポートレートを中心に、写真とアイドルをコンセプトに展開するウェブサイト「TOKYO IDOL NET」とTOKYO IDOL編集部とのコラボ企画がスタート。TOKYO IDOL NETの写真にコラムを添えて、注目のアイドルグループを紹介していく。第6弾でピックアップするのは、avexアイドル専門レーベル「iDOL Street」の第4弾グループとして、2015年3月29日に結成された5人組のアイドルグループ「わーすた」(ざ・わーるど・すたんだーど)。結成して1年に満たないグループだが、高いレベルのビジュアルとパフォーマンス力でその人気は一気に拡大している。

わーすたは5人組ではあるが、ボーカルとダンスメンバーに分かれており、楽曲はツインボーカルのみが歌うというアイドルでは珍しい形態のグループだ。そして、ダンスメンバーの3人はもともとiDOL Streetの候補生である「ストリート生」として活動していた「歌える」メンバーでもある。あえてそのメンバーが、ダンスやMCなど、歌以外の部分に注力することで、わーすたのグループとしての魅力がアップしていったように感じる。

そして夏以降、わーすたのパフォーマンスレベルは確実にアップした。ツインボーカル中心に見えていたグループは、5人のひとつのグループとして輝きはじめたのだ。

わーすたを変えたものとは?

TOKYO IDOL NETでは、ダンスメンバーとしてわーすたを支える、松田美里、坂元葉月、小玉梨々華の3名のポートレート撮影を実施。そして、ダンスメンバーとしての「在り方」について話を聞いてみた。


PHOTO:西村一光・Yusuke HOMMA(COLORIST:芳田賢明)
TEXT:荒井敏郎(TOKYO IDOL NET

松田美里

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ダンスメンバーの3人それぞれの役割が見えてきたように感じていて、わーすたの全体的なパフォーマンスが楽しくなってますよね。歌ってないからこそのステージが見えてきたというか……。何か変わってきた面などあったのでしょうか?

小玉梨々華(以下、小玉):わーすたをお披露目する前、プロデューサーさんとこれからのことについて話し合ったときに、私たちはマイクを持たないってことになったんです。パフォーマンスはするんですけど、声が出せない状態なので、どうやってステージで表現しようってなりましたね。ストリート生のころからマイクを持って歌っていたので、最初はどう見せればいいのか迷っていました。でも、夏休みに毎日のようにイベントに出させていただいている中で、私たちもマイクを持てるようになり、歌は歌えないんですけど、そこで煽りを入れられるようになったし、自分を見せながらもファンの方と一緒に楽しめるステージができるようになったかなって思います。

イベントの中で学んできたってことですね。

小玉:はい。

坂元葉月(以下、坂元):私はマイクなしで踊るって決まったときに、踊ることが苦手だったので、踊ることに集中しようって思いました。止め方なんかを気をつけて踊っていたんですけど、夏休みでたくさんイベントに出させてもらっていくうちに慣れてきて、「ここでファンの人を見よう」とか、「ここでレスを送ってみよう」とか、どうやってファンの人をこちらに向かせて楽しませられるかってことを考えるようになりましたね。そして、マイクを持ったら、これまでよりもずっと踊りやすくなっていたんです。スト生のときはマイクを持って歌って踊って──で必至だったんですけど、マイクを持っていないときにダンスを重ねることができたから、よりいいパフォーマンスが生み出せるようになったのかなって思います。

厳しい環境の中にいたからこそ、いままでのことが楽になってきたわけですね。高地トレーニングみたいな……。わかりますかね?

松田美里(以下、松田):わかります(笑)。最初、私の歌声が好きでファンになってくれた方もいたので、マイクを持たずにステージでライブをするってことは、自分の声がその人に届かないんだって、さみしいなって気持ちはありました。そのときに、じゃあ歌声以外でファンの方に笑顔になってもらうにはどうしたらいいんだろう? って考えてみて、いままで以上にファンの方とちゃんと目を合わせてコミュニケーションをとりながらダンスを踊るっていうのを極めようと思ったんです。ステージに立ってみると、マイクを持っていたときとは別の世界があって、ファンの方と一緒に踊っている感じというか……。一緒に踊っているのがすごい楽しくて、歌を歌いたいっていうのはあったんですけど、でも、これも嫌じゃないなって(笑)。

坂元・小玉:うんうん。

松田:どこの場所にいても歌声は聞こえるから、私がアイドルさんを見ていても、歌っている人を見ちゃうんですよ。だけど、歌ってなくてもファンの方に見てもらうにはって考えたときに、ダンスをたくさん勉強して練習するしかないなって思ったんです。そしたらファンの方が「美里ちゃんのダンスが好きだよ」って言ってくれるようになって……。ダンスがよかったから気になったって方も現れて……どこにいても見てもらえるようにできるんだなって思いました。

わーすたというグループができた中で、やっぱり歌えないっていうのはショックでしたか?

坂元:はい。

小玉:ショックでした。

松田:歌っていたときだったらいつも目が合うところで、ファンの方と目が合わないときがあって、それはさみしいなって思いました。

3人は歌えないわけじゃないのに、グループとしてはガッツリとツインボーカルですからね。その中で、それでもわーすたを盛り上げていこうっていうモチベーションが高かったのがすごいなと。

小玉:やっぱりファンの方の応援ですね。歌えなくてちょっとショックなときでも「ライブよかったよ」って言ってくれたり、ライブ中に私たちの写真も撮ってくれたりするのを見ると、歌えなくても頑張ろう! って思います。

坂元:歌とダンスをやっていたら両方頑張らなくちゃって思うけど、いまはダンスがメインだから、歌ってないぶんそこに表情とかをつけられる余裕があります。そういう見せ方ができるところは、逆にありがたいし面白いところではありますね。

ツインボーカルとダンスメンバーで分かれていても、ステージ全体は5人でうまく見せる必要がありますよね? そこで気をつけていることはなんでしょうか?

小玉:チームとしてステージに立っているので、振りとかはしっかりチームとして見せられるようには気をつけています。振りが一緒でも手の角度とかで違って見えてしまうので……。

坂元:あとは、歌っているメンバーと踊っているメンバーで同じ振りをするときに、歌っているメンバーはちょっと軽めの振りをしていたりするんですけど、そこでダンスメンバーが軽めにしてしまうと全体的にはフニャって見えてしまうので、歌っているメンバーと踊っているメンバーで振りの強弱じゃないですけど、メリハリはつけられるようにって気をつけています。

ツインボーカルはやっぱり目立つんですけど、でも、3人の魅力に気づくとわーすたにグッと入れると思うんですよ。これからダンスメンバーとしての、わーすたの目標とかありますか?

小玉:結成して1年も経っていないので、ツインボーカルとダンスメンバーっていうイメージを持っている人が多いと思うんです。まずは覚えてもらうために変化をつけないじゃないですけど、個性は出していきたいですが、このまま表情の見せ方とかパフォーマンスを磨いていきたいですね。1年くらい経ってから、あらためて、さらに進化したわーすたを見せていけたらいいかなって私は思っています。

坂元:パフォーマンスをするときはツインボーカルとダンスメンバーって感じですけど、パフォーマンス以外のとき、MCなどは個性が立つ場所なので、3人はトーク力も上げて、MCも面白いし、パフォーマンスしたらかっこいいしっていうギャップができたらいいなって思います。

松田:歌っていないぶん、歌に負けないくらいダンスをファンの方に見てもらいたいですね。あと、私もMCとかメイキング映像の「わ→Tube」とかSNSとかで個性が出せるようになりたいです。わーすた結構個性が強いんですけど、私は話すの苦手なので……。

坂元:面白いよ。

松田:いや、そこに関してはあんまり自信がないので……。

坂元:意外と自信がないよね、美里(笑)。返しが思っているのと違う角度からズバーンってくるから面白いのに。

小玉:チームにいるとすごいありがたいです。面白みがない話題でも、美里がズバーンって言ってくれるので(笑)。

坂元:普通の顔をしてシュッと変なこと言うので「お?」って(笑)。

松田:そっか! そんな個性は大切にしていきたなと思ってます(笑)。

隔週で行っている定期公演だと歌えますよね。それはうれしいですか?

全員:うれしいですね(笑)。

松田:わーすたの持ち曲だと全部ツインボーカルなんですけど、スト生のときにやってた曲だと……。

小玉:みんなで考えて歌割りをするので、すごい歌えるよね。

松田:普段歌えないぶん、楽しもうって思いながら歌っています。やっぱりツインボーカルっていう認識のファンの方がほとんどなので、定期公演に来ていただいたら、ダンスメンバーでも歌えるんだって思ってもらいたいですね。

小玉:あんまり公にはしていないんですけど、定期公演では毎回初お披露目っていうのをやっています。メンバーがプロデュースした衣装を初お披露目したりとか、わーすたのライブに毎回来てくださっている方でも飽きないようにって考えているので、そこは見どころだなって思います。

企画などは全員で考えているんですか?

全員:そうです。

小玉:セットリストも考えています。

坂元:最初は盛り上げて後半はしっとりいくセットリストにしようとか、テーマを決めています。この衣装は踊りやすいから、ダンスが激しい曲を中心にしようって決めたりもします。

小玉:そのときはMCをなくしたりとか……。

坂元:そうだね。そういう工夫はしています。

松田:やっぱり定期公演って、どのイベントよりも個性が出るし、わーすたをいちばん濃く知れる場所だと思うんです。あんまり知らない人にはわーすたってこういうグループなんだってところを見せていきたいし、いつも見に来てくださる方には、前回とちょっと変化をつけてきたなってところを見てほしいですね。遊園地みたいに楽しんでもらいたいな。

坂元葉月

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グループの中で「歌えない」というポジションは、正直、悔しいという思いはあっただろう。しかし、ダンスメンバーだからこその楽しみ方や盛り上げ方、ステージの見せ方などを知ることで、3人はボーカルメンバーとは異なる魅力を持ちはじめた。わーすたというグループが歌う楽曲の独特の世界観は、ツインボーカルと3人のダンスメンバーがいるからこそ、ステージ上で表現できているように思う。5人のパフォーマンスがまとまることで、その楽曲の世界観に、わーすたならではの楽しさが加わるのだ。

そして、いちどでも定期公演などを見たことがある人ならわかるが、ダンスメンバーも高い歌唱力を持っている。歌えるメンバーをダンスメンバーにしているのは不思議ではあるが、すべての実力を見せずにここまで活動してきたグループ──と考えると底知れない感じはある。

そんなわーすたの、真の姿を見ることができる場所が定期公演だと言えるだろう。5人が歌うパフォーマンスはもちろんだが、MCなども含めてそれぞれのキャラクターがとてもよくわかる。2016年に結成から1周年を迎えるわーすたは、どんどんと進化していくだろう。その前に、いまのわーすたのすべてをぜひ定期公演で見てほしい。パフォーマンス中のダンスメンバーと目が合ったら、そこからわーすたの魅力が一気に伝わってくるはずだ。

小玉梨々華

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ライブレポートやポートレートを中心に、写真とアイドルをコンセプトに展開するウェブサイト。掲載している写真にはExif情報があり、シャッター速度やISO感度などを確認できるといった特徴がある。ウェブサイトの運営のほか、ジャケット写真の撮影やイベント用写真の撮影、ほかメディアへの写真の提供など、写真を中心にさまざまな活動を行っている。