特集

TOKYO IDOL NET「輝ける理由」
~vol.9 Cheeky Parade編~

アイドルには、突然輝きを増す瞬間というのがある。もしかしたら多くのファンは、その瞬間を見るために応援しているのかもしれない……。

ライブレポートやポートレートを中心に、写真とアイドルをコンセプトに展開するウェブサイト「TOKYO IDOL NET」とTOKYO IDOL編集部とのコラボ企画。TOKYO IDOL NETの写真にコラムを添えて、注目のアイドルグループを紹介していく。第9弾でピックアップするのは、今年の2月19日に結成4周年を迎える「Cheeky Parade」。『iDOL Street』の第2弾グループとして誕生した9人組のグループは、唯一無二のパフォーマンスでこれまでアイドル界を牽引してきた。

ただ、Cheeky Paradeという名前やそのパフォーマンスの素晴らしさは記憶に刻まれているものの、その知名度の高さと人気には大きな開きがあるように感じる。このグループは、もっと多くの人に見てもらえるだけの力を持ったグループなのだ。

そんな中、メインボーカルである山本真凜とマスコット的な存在の鈴木真梨耶の2名が、今年の6月25日の活動を最後にアメリカ・ロサンゼルスに留学することが発表された。チキパ(Cheeky Parade)を象徴する2人が欠けることになり、多くの人が衝撃を受けただろう。しかし、この発表がグループにとって大きなダメージになりそうだと思う一方で、9人での残り少ない活動期間をしっかり見据えることで、これまでとは違ったまとまりや本気が生まれるように思うのだ。

きっとこれからのチキパは史上最強のチキパになる。

そう感じたTOKYO IDOL NETでは、山本真凜、鈴木友梨耶、鈴木真梨耶の3名のポートレート撮影を実施。チキパというグループへの思いやライブへの思い、そして2名の留学についてなど、これからのチキパの変化について聞いてみた。


PHOTO:ワタナベタイシ・西村一光・Yusuke HOMMA(COLORIST:芳田賢明)
TEXT:荒井敏郎(TOKYO IDOL NET

山本真凜

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Cheeky ParadeというグループはiDOL Streetの中でもちょっと特殊で、オーディションで敗れた子たちが集まってできたグループなんですよね。そこからグループを作っていくのは、なかなか大変だったのではと思います。

鈴木友梨耶(以下、鈴木(友)):SUPER☆GiRLSを生み出した『avex アイドルオーディション 2010』ですね。私は決勝の中野サンプラザまでいって落ちてしまいました。そのあと、ストリート生として次のグループに向けて頑張っていく、というチャンスをもらったんですけど、最初はほんと不安しかなかったですね。ただ、もともと私は妹の(鈴木)真梨耶と一緒に活動したかったんですよ。結果、一緒のグループになれるチャンスをいただけたので、これは頑張ろうと思いました。
 実はチキパって、なんでもいいからチャンスを得るために受けた、という人たちが集まってできたグループなので、違う夢を持った子が多かったんですよ。だからこそ、アイドルらしくないというか、可愛いだけじゃない魅力があるのかもなって思いますね。

山本真凜(以下、山本):アイドル志望というよりは、女優とかモデルなどのジャンルを目指しているメンバーが多いので、そういうメンバーが集まったからこそ、ほかにはないチキパとしてのカラーというか、いい意味でアイドルっぽくないグループができたのかなって思います。

では、最初戸惑ったんじゃないですか? 現場の盛り上がり方とか……。

鈴木真梨耶(以下、鈴木(真)):最初はアイドルってなんなのかわからなかったんですけど、自分たちの大好きな歌とかダンスを応援してもらえるっていうのが幸せだなと思っていましたね。そこはアイドルとかアーティストとかあんまり変わらないんじゃないかなって思っています。アイドルファンの応援の仕方は独特ですけど、それもまたいいなって思います!

鈴木(友):私たちはライブを武器にして活動しているグループなので、ステージだけじゃなくて、それを見て盛り上がってくれているファンの方も含めてチキパのライブなんですよね。そういう意味では、熱く全力でコールを返してもらえるので、うれしいなと思います。

アルバム『Together』を出したくらいで、曲調とかステージの見せ方など、パフォーマンスが変わってきたなと感じたのですが、そうした変化が多いグループですよね。

鈴木(友):むしろそうなりたいっていうのはありますね。パフォーマンスが激しいだけとか楽しいだけとか、それだけじゃないってのは見せたくて……。しっとりした曲の中にもチキパらしい熱い気持ちが見えたり、そうやっていろんなチキパを見せることで、もっと親近感を持ってほしいし、曲の世界観もいろんな人に共感してもらいたいし、いろんな人に好きになってもらいたいなと思っています。

なるほど。いろんなタイプの曲があるのはそうした理由もあるんですね。

鈴木(友):チキパの曲は、ほんとに素敵なものをもらっているなと思っていて、もし自分がチキパじゃなかったとしても、いま歌っている曲を好きになっていたと思います。『Together』なんか特に、ファンの人から言葉を募って歌詞を作ったりとか、多くの人を交えて作った曲で、そうした曲をいただいたのはうれしいですね。

山本:ステージでいろんな幅を出していきたいので、振り付けをしていただいている方も曲によって変わっていて、いろんな方に教えてもらっています。だからこそステージでの色も変わってきますし、それを受けて、いろんな表情を見せていければなと思いますね。

ライブの構成などについて、メンバーはどこまで一緒に考えているんですか?

鈴木(友):最初の軸はスタッフさんに出してもらうんですけど、そこからはメンバーも入って、「これはこうじゃないですか?」とか「もっとこうしたい」と一緒にライブを作っていきます。

山本:セットリストをメンバーで決めることもありますし、提案してもらったものを見てメンバーで作っていくこともあります!

品川ステラボールとかEX THEATER ROPPONGIで映像を背負ってのライブをやっていましたが、ああいうチキパらしい演出はもっと繰り返してもいいかなと思いますが。

鈴木(友):映像を背負うのはチキパ大好きですからね(笑)。

鈴木(真):ただ、映像があるからこそ出せるものもありますけど、映像がなくても出せるものも必要なんです。映像に頼らずに、自分たちだけで輝けるんだってことを見せるために、あえて「映像×チキパ」っていうのを定着させないようにしているってのはあります。

鈴木(友):「びっくり箱」みたいな感じで、常に新しいことや面白いことをしていきたいんですよ。もちろん、ずっと同じことを続けるってことも大事なんですけど、いまは新しいチキパをどんどん見せていって、こういうこともできるんだぞってところを見せたいですね。2016年は特にそういう年にしたいなと思っています。

鈴木(真):「おみくじ」みたいですね。

鈴木(友):いまびっくり箱って言ったじゃん(笑)。

山本:びっくり箱でいいやん。おみくじだったら出るもん決まってるし。

(笑)。2016年のチキパについてですが、具体的にやっていきたいことはありますか?

山本:去年の年末に行った定期公演『天使にラブソングを』のコンセプトでもあったんですけど、個性をどんどん出していきたいですね。

個人それぞれの歌のうまさがとても出ている公演でしたね。

山本:あの公演は、ファンの方からどういった反応をいただけるか全然わからない状態だったので、すごい不安でもあったんですけど、ソロの歌がファンの方にも好評で、手応えもあったしうれしかったですね。だからこそ、メンバー個人としてもですし、グループ全体としてもいろんなジャンルに挑戦して、もっと幅を広げたいなと思っています。

鈴木(友):今年はメンバー強化年間にしたいなと思っているんですよ。それぞれの役割があると思うので……。トークはこの子とか、ジャンルによってみんながみんなセンターになれるのがチキパなので、もっとひとりひとりの色をちゃんと出したいなと思います。みんなが爆発してこそチキパが成立するというか……。ほんとチキパってひとりひとりが面白いんですよ!

むかしから評判よかったですよ。それがなかなか表に出てこないというか……(笑)。

鈴木(友):そうなんですよ! 楽屋だと面白いんです。

鈴木(真):チキンです。

山本:チキンパレードです。

鈴木(真):あ、余談なんですけど、「Cheeky Parade」って最初どう略すかって悩んでいて、(溝呂木)世蘭が「チーパレ」とか考えてたんですよ。「チキパ」って案は避けてました(笑)。だって「チキパ」って聞いた人は絶対に「チキンパーティー」って思うんですよ。

全員:?

鈴木(友):すみません、カットで。

面白いから入れますが(笑)、チキンというか、ちょっと遠慮しているグループだなと思っていました。

鈴木(友):それはチキパでもすごい悩んでいます。お姉さん分のSUPER☆GiRLSだったら「王道アイドル」とか、わかりやすいものがあるじゃないですか? チキパって「小生意気」っていうんですけど、みんな礼儀正しいしいい子なんですよ……。

そうした迷いみたいなものが、2人が留学を決めたことでなくなってくるように思うんですよね。覚悟を決めなくちゃいけないので。実際にアメリカに留学すると決めたのは、どんな理由があったのでしょうか?

山本:自分のスキルを上げるのは当然ですけど、いまのチキパから、もっとレベルアップしなければならないと思ったので……。私と真梨耶でLAに行って、スキルを磨いて自分自身をアップさせて、それをチキパに持ってくればパワーアップできるんじゃないかなと思って決断しました。自分のためでもあるしチキパのためでもあるし、そこは半々、50-50ですね。

鈴木(友):2人がLAに留学になったら、「卒業するの?」とか「チキパはいいの?」ってなっちゃうと思うんですけど、まったくその様子を感じさせないくらい、「チキパとして留学する」っていう強い気持ちを持っているのがうれしかったですね。
 私たちも2人が行っている間にできることがたくさんあるし、2人が成長したぶんを受け入れられるだけの大きな器で迎えようと思っているので、「任せろ!」って感じです。

山本:私たちも「任せた!」っていう気持ちもありますし、海外でたくさん頑張って学んで帰ってきたときには、ファンの方とメンバーに「お帰り」って言ってほしいです!

鈴木(友):ソロとしての力もだけど、チキパとして頑張りたいって言ってくれたのでうれしかったんですよ。だからこそ私たちも変わらなくちゃいけないと思ったし、変わろうという思いが一気に強くなりました。

チキパさんはいつ見ても全員で一緒にいますよね(笑)。

山本:ずっとみんなで固まっているんですよ。ずーっと。どんなに広いリハスタでも、端っこでギューッとなって(笑)。

鈴木(真):自分たちではそれが当たり前というか、あんまり意識してないんですけどね。

山本:勝手に円になってるんですよね。

鈴木(真):なんか、2人とか3人ずつとかバラバラにはならなくて、気づいたら9人、気づいたら9人って感じです。だから道路とか大変ですよね。

鈴木(友):いつも、「はい3列3列! 2列2列!」とか言ってます(笑)。そうやって仲が良かったぶん、いままでぶつかったりもなかったんですよ。今回のことで「ここはもっとしっかりしようよ」とか言い合えるようになれたし、いままで以上に絆が深まりました。発表してからちょっとしか経ってないんですけど、その間だけでも意識が変わってきましたね。どうなりたいっていう明確な自分たちが見えずらかったというか、決められたレールを走っていたというか……。それがいまは、大きく成長して2人を迎えたい! という気持ちが全員に出ていますね。

20日に4周年記念ライブを開催しますが、それはかなり気合いが入りそうですね。

鈴木(友):ただ今絶賛リハーサル中で、メンバーがいろいろと意見を出し合っているところですね。やっぱりいまの9人でできる大事なライブなので、かなり力が入っています。

山本:これ見なかったら、もう……。

鈴木(真):絶対! ですよ!

鈴木(友):真凜と真梨耶が行く前のチキパと、帰って来てからのチキパを見比べてほしいので、その原点みたいな感じでちゃんと見ておいてほしいですね。

そして24日には新曲『SKY GATE』が発売されますね。PVが最高です!

鈴木(友):でもあのカレー、焦げ焦げでめっちゃまずかったんですよ。真凜のせいで。

山本:まずすぎましたね。最初のほうでカレーを作ってるシーンがあるんですけど、私は料理が全然できないからかき混ぜ方がへたくそだったんですよ。あとはご飯に対するルーの比率とかわからなくて、NGを何回か出しちゃって……。その間にグツグツ焦げていって、そのままそのカレーをみんなで食べるシーンで使ったんです。なので、すごく苦くて炭の味でした。メンバーの顔は笑ってるんですけど、「これちょっと苦いよね」ってなってました(笑)。

鈴木(友):え、何これ、怖い!? とか(笑)。

山本:顔は笑ってるんですけど。

鈴木(友):すっごい苦いんですよ。

そうしたものを感じさせない、とてもさわやかな映像ですよね。

鈴木(友):しかも豪雨でした。川みたいになってました。

そうなんですね!?

山本:めっちゃ降ってて(笑)。初めは降ってなかったので、その間に外のシーンを撮っちゃって、それからはなるべく雨が映らない場所で撮っていただいて……。

鈴木(友):たぶん、「SKY GATE~」って砂浜で踊ってるシーンは雨降ってます。

鈴木(真):ちょっとだけ。

鈴木(友):PVの最後に、駆け出して部屋から外に出て行くみたいなシーンがあるんですけど、足ビッシャビシャですよ(笑)。

山本:ベランダに走っていくんですけど、雨でツルツルってこけそうになってて(笑)。

鈴木(友):こけました!

山本:必死でした。

鈴木(友):チキパはそういう雨とかも楽しんじゃうタイプなので、だから、そういう明るさはいい意味で出てるかなって思います。

山本:出てますね。

曲調はしっとりしていて新しいチキパのイメージができそうですよね。

山本:私たちはいままで、攻撃的というか、ガツガツ盛り上がって歌う曲が多かったんですけど、『SKY GATE』はさわやかで壮大でちょっと大人っぽさもありますね。歌っていても、ちょっと切なさが混じった感じで新鮮でした。

もちろん4周年記念ライブで歌いますよね。

鈴木(真):絶対やります! カップリングの『faith』もやるかもしれませんよ~(笑)。

鈴木(友):『faith』はほんとにいい曲なんですよ。やるかもしれないので、楽しみにしていてくださいね。

鈴木(真):とりあえず4周年記念ライブには来ないと! です(笑)。

鈴木友梨耶

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チキパというグループには、『無冠の帝王』というイメージがある。ライブパフォーマンスはアイドル界ではトップレベルで素晴らしく、とても記憶に残るものだが、それがなかなか結果として表れてこない……。いろんなことに挑戦するという活動方針によって、核になる部分が見えにくいというのもあるだろうが、メンバー個々の目標意識というものも定まりにくく、印象がぼやけてしまっていたのかもしれない。

山本真凜と鈴木真梨耶の留学発表によって、確実にメンバーの意識は変化している。9人のメンバー全員が、同じ方向を見て進みはじめたのだ。

6月25日までの期間ではあるが、この間の9人のパフォーマンスは、素晴らしいものになるのは間違いない。2月20日に開催される『Cheeky Parade 4周年記念LIVE』で、チキパ史上最高の姿を見ることができるかもしれないのだ。

これからのパフォーマンスは、きっと2人が留学から戻ってきたときの姿を思い描きながらのものになるだろう。未来を信じながら、未来に向けた9人のパフォーマンスを、しっかりと目に焼き付けておきたいと思う。

鈴木真梨耶

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ライブレポートやポートレートを中心に、写真とアイドルをコンセプトに展開するウェブサイト。掲載している写真にはExif情報があり、シャッター速度やISO感度などを確認できるといった特徴がある。ウェブサイトの運営のほか、ジャケット写真の撮影やイベント用写真の撮影、ほかメディアへの写真の提供など、写真を中心にさまざまな活動を行っている。