特集

劔樹人の「チャクラの羅針盤」
~vol.1「もしわたしを選ぶんだったらこの顔踏んで」菅谷梨沙子踏み絵事件を乗り越えた男~

アイドルがスターであるように、オタクにもスターが現れる時がある。ハロプロのファンであると同時に、ハロヲタの大ファンでもある劔樹人が、ヲタの中でひときわ輝く逸材を追い求めるこの「チャクラの羅針盤」、記念すべき第1回目に登場したのは、劔が10年前大阪でバンド活動をしていた頃からの知人でありながら、知らぬ間に強烈なハロヲタになっていたという道頓堀川健氏(完全に仮名)。
実は他に似たもののない完全にオリジナルな存在としてノイズ/ニューウェーブ/アバンギャルドの世界でよく知られ、過去あの巨大フェスやアメリカの某有名フェスなど、数々の大型フェスにも出演してきた某バンドのギタリストである道頓堀川氏の、完全にオリジナルでスッペシャルなハロヲタとしての生き様に迫ります。思いがけず大ボリュームのインタビューとなってしまった本記事! ”1000年に1人の逸材”はここにいた!!

Edit:石井龍(2.5D)



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【こっそりと誰にも言わず(笑)、電気も暗めで(笑)】

劔:このインタビューでは、アイドルファンそれぞれの「過去」「現在」「未来」についてききたいんですが、過去から遡っていきましょう。(ハロプロファンになった)きっかけはまずなんだったんですか?

道頓堀川:亀井絵里さん(元モーニング娘。6期メンバー)の写真集なんですよ。

劔:写真集を買ったきっかけは?

道頓堀川:なんの雑誌か忘れたんですけど週刊誌のグラビアで、まぁそういうのをけっこうチェックしてて。

劔:もともとチェックしていたんですね。

道頓堀川:まぁわりとなんでも。チェックしていてそのときにピンときて。

劔:だいたいあれですよね、ワニブックスから写真集が出るタイミングにプロモーションで週刊誌に出るやつですね。

道頓堀川:まんまと広告にのせられて(笑)。それで写真集を買ってって感じですね。モーニング娘。はもともと知ってたので、なんか良さそうだから一回聴いてみようかなと。それでハロプロをいろいろ調べていたらBerryz工房をみつけて、そしたら(菅谷)梨沙子がいて。その時なんか初めて会った気がしなかったんですよ。でもそんなわけないと思って、自分の持っている写真集を探してみたら、梨沙子の写真集を前に買ってたんですよ(笑)。「それでか!」みたいな(笑)。

劔:あ、持ってたのに知らなかったの? 菅谷さんの写真集は、どうしていつの間にか買ってたんでしょう?

道頓堀川:たぶん可愛いと思ってなんとなく買ってたんでしょうね。そこにハロプロの音楽は直結してなかったんですけど。モーニング娘。って当時人気が世間で言う所の絶頂期に較べるとなかったじゃないですか。2008年の後半の頃だったから、ちょうど一番厳しかった時代ですよね。自分のやってるバンドもどっちかっていったらマイナー路線じゃないですか。人気ないほうが気になるんですよ(笑)。人気ないけどどうなるのかなって興味があったりとか。

劔:あんまり人気がない状況も含めて気になったと(笑)。

道頓堀川:そうですね。そういう感じで気になって、Berryz工房を好きになって。曲聴いたらやっぱり変じゃないですか。最初よくわからなかったでしょ?

劔:まあ、一番よくわからない曲が多かった時期かもしれませんね(笑)。曲としては『MADAYADE』でしたっけ?

道頓堀川:そうです、『MADAYADE』を最初に買ったんですよ。なんかちょっとね、あんまそのときの気持ちは覚えてないですけど。ひっかかるものはあって。元々シャ乱Qの曲が好きだったというのもあって、そのときは軽く聴いてたんですよ。まぁきっかけは写真集ですね。

劔:『MADAYADE』からハマる人もいるんだなって感動してます。だって「ハッハッハッ、ピョ〜ン」ですよ。ハロヲタは良くても、普通なんだこりゃってなるでしょうからね。それにしても、写真集から入る人って意外と多いんですかね?

道頓堀川:ビジュアルからくる人もいるとは思うんですが。

そのときって一人でこっそりと応援してたんですか?

道頓堀川:こっそりと誰にも言わず(笑)。電気も暗めで(笑)。始めて行ったツアーは「そのすべての愛に」ですね。

劔:それ何年?

道頓堀川:2009年くらいじゃないですかね。なんとなく一回行ってみようかなと思って。

劔:わりと軽い感じで?

道頓堀川:すでにDVDもけっこう見ていたりしていたので。

劔:現場デビューまでには、わりと在宅での下地があったんですね。

道頓堀川:そうですね。溜まっていってデビューみたいな(笑)。その当時、特に娘。はキラキラした感じではない、暗い曲が多かったですよね。あれは個人的には入りやすい要素でした。入りとしてはやっぱりそういう要素があったほうが僕には良かったのかなと。でもそのときは、これからずっと通うようになるとは思わなかったですね。一回軽い感じで行っただけだったので。

劔:実際コンサートで見てどうでした?

道頓堀川:サイリウム的なものは持ってなかったので丸腰で行って。でも体がだんだん揺れてきたのは覚えてます(笑)。

劔:我慢しきれなくなる自分が(笑)。そのときはどの位置で見ていたんですか?

道頓堀川:あぁ、もう後ろです後ろです。

劔:そのコンサートのインパクトでガッチリのめり込むようになったというよりは、まだそれからじわじわ、って感じなんですね。

道頓堀川:もっと後なんですよね。今みたいな(ハマる)状態になったのは。

【とにかく梨沙子にオタクと思われたくない気持ちがずっとあるんですよ】

劔:これが決定打になったっていうタイミングはあったんですか?

道頓堀川:モベキマス(モーニング娘。、Berryz工房、℃-ute、真野恵里菜、スマイレージ全員からなるハロプロオールスターグループ。それぞれの頭文字を冠している)のよみうりランドでやったイベントがすごく良くて、そこで握手を全員としたら、ものすごい笑顔になった思い出があるんですよね(笑)。

劔:握手会で信じられないくらいニヤニヤしてる人っているもんね! それはやっぱりすごい大きな印象だったんですね?

道頓堀川:そうですね。

接触できることにもっていかれた部分もあったんじゃないですか?

道頓堀川:けっこうありますね。

劔:そのときはやっぱり菅谷さんが一番良かった?

道頓堀川:完全にそこだけでしたね(笑)。

劔:ほかのメンバーはどうですか?

道頓堀川:ほかのメンバーはあんま興味なかったですね。

劔:そこまではっきりと。モベキマスよみうりランドって、2011年くらいですよね。最初に本コンサート行ってから、わりとそのあとは通うようになったんですか?

道頓堀川:けっこう通ってましたよ。その頃は遠征まではしてなくて、大阪公演だけですけど、軽い感じで通ってましたね。でも日常的には常にハロプロの音楽は聴いてましたけどね(笑)。バンドの活動もおろそかにしつつ(笑)。

劔:でも確か、亀井ちゃんの卒コン行ってるんだよね。2010年のライサバの、横浜アリーナに。完全に遠征してますね。

道頓堀川:確かにあのときもう結構はまってたなぁ。普通に泣いてました(笑)。

劔:記憶以上に早いうちからのめり込んでますね。でもまあ、最終的に握手が大きなきっかけになってさらに拍車をかけた感じなんですかね。

道頓堀川:そうですね。でも、握手しに行くとオタクみたいじゃないですか。とにかく梨沙子にオタクと思われたくない気持ちがずっとあるんですよ(笑)。

一同:えーっ!?(爆笑)

道頓堀川:だから通いたいけど通わないってとこもあって。握手券持っているけど直前でやめるとか、けっこう葛藤はずっとありましたね。どうでもいい話ですけど(笑)。

劔:いやそれね、大事なんですよ(笑)。その意味のわからない自意識をぜひ聞きたい! 最初握手したときってモベキマスでじゃないですか。お客さんも多いし、ものすごい高速握手だったでしょう? そのとき菅谷さんがどんな顔をしてたかって覚えていますか?

道頓堀川:あんまり覚えてないですね(笑)。

劔:僕ははじめてあやや(松浦亜弥)と握手したときすごい覚えていて。当時いろんな人の握手会に行っていたんですけどぜんぜん顔を見られなくて、あややのときに勇気を振り絞って顔を見たんですよ。そしたら笑顔がものすごいくっしゃくしゃで、本当にサルに似ているんだなと思って(笑)。それは覚えてますし、そのとき交わした言葉もはっきり覚えていますね。「がんばってください応援してます」って言ったら、「ありがとうございます応援してください」と言われたんです。いい思い出だなあ……。それはまあいいとして(笑)。そこから握手会にも少しずつ通い出すわけですよね。

道頓堀川:そうですね。オタクと思われたくないという葛藤があったのでちょくちょくですけど、最後らへんはかなり行ってましたね。もうなんかいっとかなきゃ損やろみたいな。

劔:特に(Berryz工房の)活動休止が発表された後はね。そのとき道頓堀川さんは全部行くつもりで行ってました?

道頓堀川:そうですね、追い込みかけてました。仕事も2012年くらいに辞めてずっとやってませんからね。時間の無駄やと思うようになって。僕の生活サイクルではそうならざるをえないんですよ。

【ノートに会話のシミュレーションを書いて、傾向と対策みたいなのはやってましたね(笑)】

劔:その生活サイクルに関しては後でじっくり聞かせてください! それで、接触系に行くようになってどんどん菅谷さんと会話もするようになってきたんですか?

道頓堀川:けっこうするようになりましたね。

劔:菅谷さんが言ってくれた言葉で覚えているのはありますか?

道頓堀川:一番覚えているのが「この前ライブで僕のこと見てくれてありがとう」と言ったら、「いや、見てないですよ」って言われたんです。

一同:(爆笑)。

道頓堀川:一応お金を払ってるじゃないですか。なんちゅう会話をしにきたんやろうと、めっちゃ落ち込むんですよ(笑)。

劔:ワハハ!! 当然のことかのように! でも「見てない」って断言されたんだね。さすがだなあ。そのとき菅谷さんはどんな顔をしていたんですか?

道頓堀川:冷たーい顔してましたね(笑)。そのとき普通に見てないって言われたもんだから、じゃあ今後は無理やり見るようにせなって思ったんですよ。で、僕はライブのとき頭にタオルを巻くんですけど、髪を立てて、さらにもう一枚巻いて(タオルを2段にして)高さを出して差別化しようと。そんなことやったんですよ(笑)。その状態でライブ中に梨沙子を見ると、明らかにこっちを見て笑っているんですよ!(笑) だからそのあとの握手会で改めてきいてみたら、「後ろの人に迷惑だからそういうことしちゃだめだよ」って普通に怒られて(笑)。でも一応見てくれてんねやみたいな(笑)。

劔:やけに頭の長い奴がいるなと(笑)。Berryz工房は最後のほう、推しジャンするやつに向けて「あんまり飛ぶな」って注意したりもしてましたからね。マナーに厳しいよ。通っているうちに、自分も含めて認知があるヲタがわかってきたりしないんですか?

道頓堀川:僕は一人でオタク活動やってるからほかの人とあんましゃべらないんですよ(笑)。群れるのはあかんなという自分の中で変なルールがあって。他人の情報がまったくわからないんですよ。まぁぱっと見ていたら認知あるんやろなーという人はわかりましたけどね。

劔:握手会とか遠巻きで見ていて、この人とはなんか親しげだなとわかったりしますよね。でもまぁ、他人の芝生はなんというか、どうしてもみんなに同じ対応でも自分だけ冷たくされたような気持ちになっちゃいますよね。

道頓堀川:握手会までに自分の中でかなりシミュレーションするんですよ。なのにその通りいかないじゃないですか。そのギャップもありますよね。

劔:音楽的にも(道頓堀川氏は)構築的な人なんでね、握手会も構築して行かないとだめなんですね(笑)。

道頓堀川:めっちゃノートに(会話のシミュレーションを)書いてますからね。終わったあとは照らし合わせて次回に備えるとか。傾向と対策みたいなのはやってましたね(笑)。でもその昔のノートは、今見るとめっちゃ恥ずかしいんですよ(笑)。

劔:うわー!! それ、道重(さゆみ/モーニング娘。8代目リーダー)さんがバラエティ番組に出るときにやっていたことと一緒だよ!(笑) 「ゆわないでこうかいするより、ゆってこうかいした方がいい」っていう(笑)。

やっぱ成功したときはこのやりかたが正解だったんだとかいうのはあるんですか?

道頓堀川:正直、うまくいったときは実はあんまりなくて。

一同:(爆笑)。

道頓堀川:でも、髪型や衣装を褒めるとか、媚を売ったらだいたいいけるんですよ(笑)。ただそれは人もやることじゃないですか。人と同じことを言わないというルールが自分の中にあって、だからそれは邪道なんですけど(笑)。でも1日に4回握手するとして、最初3回冷たくされて失敗すると、最後は守りに入ってしまって、媚を売って終わるっていう(笑)。精神を保つための最後の手段ですね(笑)。俺は悪いやつじゃないぞという(笑)。

劔:それは、「可愛いね」とかそういう感じ?

道頓堀川:まぁそんな感じですね(笑)。喜びそうなことを。

褒める前の3回の失敗のときは、ダメだしとかをするんですか?

道頓堀川:ダメだしは絶対にしないです。向こうを傷つけることはあかんっていうルールがあって。喜ばすこと前提で。

劔:喜ばせようとして言うんだけど結局怒られるっていう(笑)。どんな台本があったんですか?

道頓堀川:台本は時期によるんですけど、うーん、内容はあんまり思い出せへんな(笑)。

劔:ただ、だいたい冷たくされると。

道頓堀川:まぁそれもね、(冷たくされた理由を)無理やり良いほうに考えますけどね(笑)。

劔:「きっと照れてるんだろう」みたいなね。それで最後は「着ている服可愛いね」とかそういう感じに褒めて締めくくると。

道頓堀川:あんま言いたくないんですけどね。言うと「ありがとうございます」って言われるだけなんで、これは誰でもできることじゃないですか。不完全燃焼で、次またがんばろってなりますね。

劔:さんざん人と違うことにこだわっておいて、結局同じことをしてしまうという(笑)。ほかのメンバーとも握手するタイミングとかもあるじゃないですか。Berryz工房は7人もいて、「梨沙子ちゃんは冷たいけどこの子は優しい!」っていうのはなかった?

道頓堀川:他は行かないんですよ。なんか浮気じゃないですけどそんな感じがあるじゃないですか。今までずっと(梨沙子に)行っていたのがすべて水の泡になる気がして。

劔:じゃあ個別は梨沙子ちゃんに完全集中で。でも全体でやるやつとかは? 全員と握手しなきゃいけない時とか。

道頓堀川:もう挨拶くらいですね、さらっと。

全員と握手するとき絶対視界に入ってるじゃないですか。「次この人だな」みたいな、そのときのいたたまれなさが僕けっこうあって。みんな目の前のことに集中してますけどなんとなく視界に入ってきて、「この人は何をわたしに言うんだろう?」みたいなのを考えているのかなとか、どんな頭の回転で話をしているのかなっていうのが、アイドルさんの不思議ですね。

劔:まーちゃん(モーニング娘。’15の佐藤優樹)なんて、前の人としていた話題の続きを次の人とし出したっていう話もありますよ(笑)。

その繋ぎかたすごいですね。

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【会場の壁に耳を当てて聴いてたんですよ(笑)。そしたら係員に奥まで連れて行かれて(笑)。】

劔:こうして道頓堀川さんは梨沙子ちゃんをずっと応援してきて、こないだの2014年にBerryz工房活動休止のニュースがあって、そこからはもうとにかく僕がみているかぎり、彼はBerryz工房全通する勢いだったんですよ。でも自分の予定があって沖縄のバスツアーだけは行けなかったんだよね。それまでのバスツアーは行ってたんですか?

道頓堀川:行かなかったですね。なんかそれ行くとオタクじゃないですか。そこはけっこうでかいんで。

劔:ワハハ!! これでもまだ自分はオタクじゃないと(笑)。他にここは行ったらオタクになるからダメとかあるんですか?

道頓堀川:ハワイツアーとかそういうツアー系ですかね。(ファンクラブイベントの)バースデーとかはOKなんです。ディナーショーも行きましたよ。

劔:何か独自の線引きがあるんだね(笑)。バースデーイベントの思い出はあったりしますか?

道頓堀川:あれってファンクラブ会員限定なんで、いうたら当選落選があるじゃないですか。ほかのツアーとかだとまぁ、当たらなくても別所で買ったりできますけど。それで1部はあたって、2部ははずれた時があったんですよ。逆だったらいいですけど、最初行って最後行かないってなんかちょっと気分的に嫌じゃないですか。1部が終わって外でたら、そのまま帰るのが惜しくなって、会場の壁に耳を当てて聴いてたんですよ(笑)。ちょっと聴こえるんでテンションがあがってしまって、無意識に振りコピしてしてたんです(笑)。そしたら係員に奥まで連れて行かれて(笑)。

一同:(爆笑)。

劔:それけっこう怒られたんですか?

道頓堀川:怒られましたね。完全に不審者に思われたんでしょう(笑)。「二度としません」って言って帰ってきました(笑)。

劔:壁に耳を当てながら振りコピしてる男って相当怪しいけど、よく考えるとそこまで悪いことをしている気もしないけどね(笑)。

道頓堀川:Berryz工房のTシャツを着ている以上、それを背負ってるわけじゃないですか。だから誰かに悪く思われたらメンバーにも悪く伝わるんじゃないかって。俺は何をしてるんだって我に返って反省しました(笑)。

劔:バースデーイベント中の思い出はありますか?

道頓堀川:緊張はしましたけどね。すぐ横を本人が通るじゃないですか。まあでもそれくらいかな。普通ですね。

劔:他に梨沙子ちゃんとは思い出があったりしますか? 印象に残ったこととか。

道頓堀川:卒業の時メンバーがコメントで「悔しいことやつらいことがほとんどだったけど……。」みたいなことを言うじゃないですか、まさしくあれと同じで、ほとんどつらいことなんですよ(笑)。良いことがあんまりなかった(笑)。

劔:ワハハ!! てことは、この何年、冷たく対応された思い出ばかりだったと(笑)。

道頓堀川:でもそれが逆に良かったと思うんですよ、媚びられるのはちょっと嫌なんですよね。

劔:まぁ梨沙子ちゃんって伝え聞くに、わりと突き放すタイプらしいですからね。孤高の存在というか。

道頓堀川:媚びたりしないんですよね。僕が(Berryz工房を)知ったときって梨沙子自体がBerryz工房の中での人気が下がっていた頃なんですよ。最近わかったことなんですけど、ビジュアルがよくて、アイドルアイドルしているのは僕あんま好きじゃないんですよ。こんな可愛いのになんで人気ないんかなとか、なんでこんな変なことするのかなっていう、そういう人のほうに惹かれるんですよね。あかねちん(モーニング娘。’15の羽賀朱音)もそうじゃないですか。ビジュアル良いのになんか変だっていう。ハロプロってなんか闇を感じるんですよね、曲にしても。

劔:道頓堀川さんそのへん一貫してますよね。ハロプロにはまったのも人気が落ちていたときと自分のモードがはまったからですもんね。自分の作る音楽と一緒で、異端のほうへ惹かれてしまうんだね(笑)。

道頓堀川:そういうのがこんなメジャーなもんの中にあるっていうのが変な感じするんですよ。

【道頓堀川さんがBerryz工房活動休止のときに、謎の画像を送ってくれて。】

劔:そうやって突っ走ってきて、活動休止の発表があったときってどうだったんですか?

道頓堀川:あのときって僕自分のライブで、その次の公演に行こうと思っていたんです。あれ昼公演で発表したんですよね。終わってからメールがいっぱい入っていて、「えっ! そんなことが」ってなるじゃないですか。現場ではなくメールで知ってしまったんで、その後に行くのけっこう嫌じゃないですか。どういう雰囲気で見たらいいのかもわからないし。そのときにはじめてチケットとったのに入らなかったんです。外までは行ったんですけど、中には入れなくて。どう見ていいかわからんから。

劔:その日はお台場でTIFもやっていて、TIFの会場にいた人たちもそれを知って大騒ぎだったらしいですね。なんか予兆みたいなものってあったんですか?

道頓堀川:予兆まではないんですけど、常にそういう危機感はありましたね。そのタイミングだとは思いませんでしたけど。

劔:発表の時は動揺したけど、次第に持ち直して残された時間を思い切り楽しむようになってましたよね。

道頓堀川:一番最後の武道館とかはなんかもう冷静でしたね。もっと前のほうが変な感じで、わりと最後らへんは普通というか、平然と見守っていましたね。整理し切れていたというか。

劔:あれだけ長い時間だったから、けっこうみんなやりきった感じになったんですかね。

発表してから何ヶ月もたってますからね、それは心の準備期間がしっかりありましたね。

道頓堀川:ちょっとあんまよくないのは、整理しすぎて次に行こうとしてしまったんですよ(笑)。

劔:そうそう(笑)。道頓堀川さんは、Berryz工房が終わったら自分もついにヲタを卒業するだろうと言っていたんですよ。3月のベリ最後の武道館のときも、自分もこれで終わりだみたいな感じのことを言っていて。これがこの後おかしな展開になっていくんですけど(笑)。その前に、2014年の10月かな。モーニング娘。’14の秋ツアーの武道館公演で、12期メンバーの発表があったときに道頓堀川さんが行っていたんですよ。

道頓堀川:そうですね。そのときはあかねちん(羽賀朱音/当時ハロプロ研修生、現モーニング娘。’15)と、ななみん(田辺奈菜美/当時ハロプロ研修生、現在は活動終了)と、ふなっき(船木結/ハロプロ研修生)目当てで入っていたんです。

劔:誰か(モーニング娘。に)入ってくれという気持ちで? 結局、羽賀ちゃんの加入が決まって、めちゃくちゃ喜んでましたよね。すぐにその場で羽賀ちゃんのTシャツに着替えて。

道頓堀川:そうですね。Tシャツは誰が来てもいいように3人分用意してたんで。

劔:ワハハ!! 研修生はその3人が好きだったんですか?

道頓堀川:最初ななみんがけっこう好きで。けっこう好きな人多いやんけって話ですけど(笑)。

劔:道頓堀川さんがBerryz工房活動休止のときに、謎の画像を送ってくれて。「自分がこれからのハロプロとどういうスタンスで関わっていくか」というものらしいんですが、それがどこかの適当な家族写真の運転席に自分の写真と、助手席に梨沙子ちゃんの写真をはりつけて、後ろの席の子どものところに羽賀ちゃんと島村嬉唄(カントリー・ガールズ/現在は脱退)ちゃんの写真をはりつけてるやつで(笑)。全然意味がわからないんですよ。

道頓堀川:一緒にドライブしてるやつね(笑)。それは、自分のこれからのスタンスを伝えるために送りましたね。

劔:そのスタンスの意味がよくわからないんだけど(笑)。

もうブログとかも梨沙子さんは書かなくなっちゃったんですか?

道頓堀川:活動休止してからは書いてないですね。あれがけっこう悲しさを出していますよね。

劔:Berryz工房もほかのメンバーはその後の予定がでてきたんですけど、梨沙子ちゃんだけはどうするのかわからなくて。

気になりませんでした? そこは意識しないようにしてたんですか?

道頓堀川:そうですね。そんな気にしたくなかったです。夢の世界みたいなイメージなんですよ。実在してたんかなみたいな。

なくなったらなくなったで「あぁ」みたいな感じなんですか? 思い出だけ残るみたいな。

劔:夢見てたのかな、本当にあの人たち実在していたのかなって。全部みんなの妄想だったのかなみたいな。夢落ち的な感覚にはなりますよね。

現在に話が移ってきましたね。