2.5D

ペアルックで登場の染谷将太×園子温による「ヒミズ」舞台挨拶・ティーチイン

レポート



2012年2月16日、映画「ヒミズ」(製作・配給:ギャガ)の大ヒットを記念して、新宿バルト9にて舞台挨拶及びティーチインが開催された。微笑ましいやり取りに、会場からは笑いもこぼれた染谷将太・園子温はおそろいの「ヒミズ」スタッフTシャツで登場。映画「ヒミズ」は新宿バルト9、シネクイント他全国公開中。



MC:一言ずつご挨拶をお願いいたします。

監督:今日はお越しいただきありがとうございます。
染谷:今日は寒い中ご来場いただきありがとうございます。楽しんでください。

MC:監督、本日は『ヒミズ』が公開されてから1カ月、既に沢山の方がこの映画をご覧になり、大ヒットしていますが、率直なお気持ちをお聞かせ下さい。

監督:感謝の念でいっぱいです。あまり製作費も潤沢な映画ではないし、大作とタイマンはってここまで来れたのはうれしいです。
染谷:監督と同じで、そんなに有名でもない僕が主演で、でもお客さんが入ってくださっているのは映画の仕事をしている身としてとてもうれしいです。

MC:染谷さん、『ヒミズ』が公開されてから、ご自身の周りで何か反響はありましたか?

染谷:周りもみんな観てくれてうれしいです。そして知らないドレスからメールが来るようになりました。親戚も増えたかも(笑)

MC:監督、染谷さんはどんな俳優でしたか?

監督:オーディションから他の俳優とは違う臭いを持っていたし、彼のような俳優はなかなか出てこないのではと思っています。

MC:そう言われてどうですか?

染谷:ありがとうございます。『冷たい熱帯魚』をみて衝撃を受けたその帰り道、事務所から園さんのオーディションがあり、受かったら主演と聞かされて。そこからもう眠れなくて、オーディションもすごく緊張して、莫大な与えられたセリフを言って、園さんがその最中「観てるかな?」というくらい下向いていて。「落ちたなー。」と思っていたのですが、受かってとてもうれしかったです。茶沢を選ぶオーディションにも呼んでもらって、「誰がタイプ?」と聞かれました。結局選びませんでしたけど(笑)

~以下、観客からの質問~

Q:監督に質問です。最後の川に入るシーンで、銃を空に3発撃ちますが、それはなにか社会に対するメッセージなどあるのでしょうか。
監督:僕のシーンはすごく感覚的にやっていることが多くて、一つ一つの演出にあまり意味はないんです。徹夜あけでものすごくハイテンションで、ラストシーンはほとんどリアルタイムでカメラを回していて、つないだだけなんです。まさに大晦日の番組みたいに。

Q:ラストが原作と変わっている部分は古谷実さんと相談したのでしょうか?
監督:古谷さんには会ったことないんです。好きにやっていいよということだったので。この最後のシーンも3分前まで「死んじゃったほうがいいかな?」と思っていたくらいで決めていなかったんですね。実は死んだバージョンも作っていて、編集のタイミングでも迷っていました。できれば原作どおり行きたいなと思ってはいましたからね。でも結果ああいうラストにさせてもらいました。

Q:園監督が古谷実さんの「ヒミズ」をなぜ映画にしたのか、教えてください。
監督:初めて原作ものをやるなら、自分で選んだものをやりたいなと持っていました。理由は特別なくて、もちろん好きな漫画だからということなんだけど、彼女探しと同じで「彼女のどこが気に入ったの?」と言われてもこれという理由がないのと同じで「しっくりきた」というのが一番でしょうね。

Q:染谷さん、絵具とか、泥とか、大丈夫でしたか?
染谷:泥のこととかは台本に書いて無くて、当日たまたま雨が降って園さんが『泥のなかを引きずるシーンを撮りたい』ということで引きずったら予想以上に泥だらけになり、なかなかカットもかけてくれないので、口の中にもめちゃくちゃ泥がはいりました。絵具は監督から「顔に塗れ」とは言われていたけれど、食べろとは言われていなくて、でも絶対演技の中で赤い絵の具を舌に乗せてやろうと思っていて。本番なめてみたらすごくまずかったです……

Q:ヒミズの映画の中でいったい何日間の物語なのかということと、住田だけが最後まで希望に抵抗し続けたのか、教えてください。

監督:原作だと、すごく長い時間です。映画は2時間なので、長い期間のものを2時間で描こうとするとゆるんでくるんです。『冷たい熱帯魚』も、2年くらいの事件を、1日2日の出来事にしちゃったんですね。でもこの映画について時間軸は特に考えてなかったんですが、助監督が数えていたところだと、1週間くらいの出来事だそうです。そのくらいのほうが映画がしまるので、いいですね。
あと、もう一つの質問についてですが、本当は3時間28分くらいの映画なんです。その中には茶沢を主人公にした小説版「ヒミズ」からとった話もたくさんあったのですが、編集して住田と茶沢の関係性を中心にしたんです。今回のテーマは住田の絶望は克服できるのか否かというところにテーマを絞ったからそう見えるのかなと思います。

染谷:僕は住田そのものだったんで、住田を演じている間本当に絶望的だったんですが、周りの人や茶沢にすごく希望を与えてもらって。すごくうれしいんですが、でも住田はすごく頑固で、すぐに希望のほうに転がれるところにはいると思うんですが、やはり15歳で、すごく頑固で。なかなか希望にたどり着かないんですね。でも最後ろうそくのシーンで、我慢しきれなくなって希望のほうに行くんです。

監督:主人公が中学生というところに、ものすごく意味があると思いますね。

監督×染谷:(フォトセッション時)今日はふたりで「ヒミズ」Tシャツ、着てきました!









映画「ヒミズ」舞台挨拶・ティーチイン

日程:2012年2月16日(木)
場所:新宿バルト9
登壇者:染谷将太、園子温監督